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貴方side
「…A?……A!!」
どこからか聞こえる声に反応してまぶたを開いた。
『わっ…!』
目の前にマネージャーがいた。
移動車の中、他に人はいない。
「もう、全然起きないから困ってたんだよ」
どうやら、私は移動車の中で眠っていたみたい。
移動車から出ると、爽やかな風が吹いて、
視界に入ったのは、青い青い海だった。
ドラマの撮影で来た、静岡県。
ふだんはコンクリートに囲まれた生活をしているから、
撮影で地方に来るとテンションが上がる。
海に近づくなり、写真をたくさん撮った。
伊野尾くんとのドラマの撮影の初日。
午前中は私のみのシーンを撮影して、
午後に伊野尾くんとのシーンを撮るらしい。
伊野尾くんとのシーンは、
数日前に涼介と練習したやつ……。
どこかやりづらいし、涼介のことを思い出してしまう。
自分が涼介に頼んで、練習に付き合ってもらったのに、
どこか後悔してるような、…していないような。
数日前の出来事を思い出してしまう。
余計な感情が生まれて、私から離れてくれない。
演技に支障が出そうで不安になる。
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そんな中撮った、私だけのシーンが反省だらけだったことは言うまでもない。
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作者名:りめ | 作成日時:2018年1月21日 10時