ハッピーエンドなんかない。((Ryosuke.Y & Kei.I)) (ページ3)

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貴方side

マンションのエレベーターに乗って数秒後、

ドアが開いて、私は足を踏み出した。

314、と書かれたプレートの横のドアを開けた。

疲れきった体で、長い廊下を歩き、
つきあたりのリビングへとたどり着いた。

持っていた郵便物を机に雑に置いて、

窓から見える都会の夜景をカーテンで遮った。

『はぁ……』

ソファにだらんと寝そべって机に置いた郵便物を手に取った。

薄い封筒。

その裏には、送り主の名前が書かれていた。

山田涼介…

涼介！？

それは、しばらく会っていなかった幼なじみからの手紙だった。

封筒を開けると、中には手紙があった。

それと共に、小さい紙切れ。

それには、

涼介くんから手紙がうちに届いたから、送ったよ。

母

ということが書かれていた。

私の住所知らないから、実家に送ったのか。

ここに涼介からの手紙が届いた理由を理解しながら、

手紙を開いた。

Aへ

久しぶりだね。元気してる？

最近よくテレビで見てるよ！

いや～、でもAが雀ななとしてテレビに出てるのは、なんか不思議で、

雀なながAだとは思えないんだよな(笑)

いつか共演できるといいな！

あ！そうそう、最近引っ越したからさ、久しぶりに会いたいなーって

連絡先、書いておくから！

その下に、涼介の連絡先が書かれていた。

高校生以来、涼介とは会っていなくて、

当時はデビューしたてのアイドルだった彼も、

今では大人気グループのセンターになっていて、

その活躍ぶりはよく耳にする。

でも、同じ業界にいるのに、彼とはなかなか会わなかった。

久しぶりに会いたい

その言葉はとても嬉しかった。

早速、連絡先を入力しようかと思ったけど、
疲れは限界に達していて、

『明日オフだし、いいや』

メイクだけ落として、ソファで寝てしまった。