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放課後の図書室はいつも通り人気がない。
ほぼふたりきりに近い。いや、ふたりきりだ。
ずーーっと続いていた沈黙。
ついに佐藤くんが口を開く。
「Aさん、髪切ったんや。」
あ〜〜〜〜〜〜〜
いや、ね。そりゃ気づかんわけないぐらいの変化やもんね。
『そーやねん…結構ばっさり…。』
「なんでそんなテンション低いん？w」
だってさーーー。
『いやーさぁーちょっと色々ね』
「いろいろ…」
いつもより会話が続かない。
今日のこの沈黙はロマンチックだなんて到底思えない重くて苦しい時間だった。
しょうがないか。
『あのー、私、好きな人いてさ。』
「うん」
いつもと変わらず佐藤くんは本に向かいながら相槌を打つ。
『その人ロングの子がタイプやねんて。』
『けど、私それ知らんくて、、、』
私は髪で顔を隠して、なるべく佐藤くんから見えないようにした。
意味ないけど。
「でも、Aさんは気に入ってるんじゃないん？」
『え？』
「その髪型」
『あ。ぇ…と……うん。気に入ってる。』
「じゃあいいやん。」
佐藤くんは本をパタンと閉じてようやく私に視線を向ける。
一気に息が詰まった。
「好きな人の理想像に合わせるより、
自分の好きなものをその人が好きでいてくれる方が、
Aさんは嬉しくない？」
佐藤くんらしいまっすぐな意見。
あーーやっぱり私は佐藤くんが、
「…たしかに。」
だいすきやなぁ。
「ありがと。佐藤くん。」
当の本人はロングがタイプなんですけどね。
でもなんだか吹っ切れた。
容姿にこだわって振り向いてもらうより、
その容姿に後からキュンってきてくれるぐらい
私自身が好きって思ってもらえるぐらい
頑張ろうって。
『佐藤くんはロングの子がタイプなんやろ？』
「え、それ誰から」
『あー……わすれたっ！』
適当に誤魔化して、佐藤くんの目を見る。
いつもよりまっすぐ見れているような気がする。
それとは反対に佐藤くんはめずらしく目をそらした。
「前まではそーやってんけど、」
「今は…ボブの子が好き…かな。」
佐藤くんに少し近づけたような。
それが勘違いでないことを願うばかりだった。
【ラベンダーよりも甘すぎる】kimoto→←【理想と現実】mugi
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ふみうか - オズワルダー・カイさん» そんなこと言っていただけるなんて…！そこの黄金比率だいじですよね(( こちらこそ読んでいただいてありがとうございます！！ (2023年4月8日 19時) (
レス) id: b520771701 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - 阪本さんのかわいいところとキモいところがうまく表現されてて、面白いです！ ありがとうございます！ (2023年4月8日 14時) (レス) id: e9b28fbcad (このIDを非表示/違反報告)
にこまる(プロフ) - ふみうかさん» うわー😭ありがとうございます！！😭😭 (2023年1月4日 21時) (レス) id: 277042bd5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみうか - にこまるさん» ホントですか！！ありがとうございます😭遅くなると思いますが、また書きますね！ (2023年1月4日 21時) (レス) id: b520771701 (このIDを非表示/違反報告)
にこまる(プロフ) - お話すごく面白かったです泣 ｷﾓﾄさん需要ありまくりなので、また書いていただけるとありがたいです👍 (2023年1月3日 11時) (レス) @page9 id: 277042bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみうか | 作成日時：2022年11月20日 21時
