【1分1秒でも永く】nagami ページ26
Youside.
なんとなく目が覚めた。
カーテンの細い隙間から柔らかい光が差し込んでいる。
私は寝ぼけ眼のまま大きく深呼吸をした。
朝だ。
目が覚めたときのこの感覚から意外と深めの眠りについてたんだなと分かる。
夢も見ずにぐっすりと、彼とふたり同じ布団で。
最近多忙が続きすぎていて夜は遅寝朝は早起きだったから熟睡できたのは久しぶりだ。
はあぁなんという幸せ。
なんて思いながらふとベッドの周りに散らかってる服やらダンボールやらに目をやる。
安定の散らかりよう。
これがあの永見さんの部屋だなんてあの頃の私が知ったら、どんな顔しただろうーー。
しかし今では彼のことをひとつまたひとつと知るたび
すべてが愛おしく思えるほどになった。
私はくるっと寝返りを打って彼の背中の方に向いた。
きれいな黒髪が不規則にハネている。
部屋が少々散らかっていて早起きが苦手で幸せそうにご飯を食べる。
それでこそ永見大吾なのだ。
と、ひとりベッドの上で深く思った。
めんどくさいけど朝ごはんつくるか、
よいしょ、と身体を起き上がらせ
自分の上にかかっていた分の布団をペラっとめくる。
フローリングにあしをつけてベッドからはお尻も手も離れたとき
『わっ！！』
後ろから長い腕に捕まえられ再び布団に引きずり込まれる。
いつの間に起きていたんだろう。
そしてそのまま大吾は私の背中にぴったりくっついた。
「まだだめ」
『いや朝ごはん作ろうとしただけで、』
「まーだ」
そう言って3秒後、後ろからはスースーと気持ちよさそうな寝息が聞こえてきた。
『…もう寝てるやん』
さすが大吾やなぁと思いながら瞬きをひとつする。
そのときまぶたの重さに自分でも驚いた。
後ろから包みこまれるあたたかさ。
どんどん眠気が深くなる。
目を閉じるときぼんやり見えた時計は10時すぎを示していた。
「……A…ずっと離れんといて…」
意識が薄れていくとき聞こえたのは現実の大吾の声だったか。
理解する間もなく私も眠りについたのだった。
日差しを受ける散らかった部屋の中で。
私たちの朝はまだまだ長い。
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ふみうか - オズワルダー・カイさん» そんなこと言っていただけるなんて…！そこの黄金比率だいじですよね(( こちらこそ読んでいただいてありがとうございます！！ (2023年4月8日 19時) (
レス) id: b520771701 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - 阪本さんのかわいいところとキモいところがうまく表現されてて、面白いです！ ありがとうございます！ (2023年4月8日 14時) (レス) id: e9b28fbcad (このIDを非表示/違反報告)
にこまる(プロフ) - ふみうかさん» うわー😭ありがとうございます！！😭😭 (2023年1月4日 21時) (レス) id: 277042bd5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみうか - にこまるさん» ホントですか！！ありがとうございます😭遅くなると思いますが、また書きますね！ (2023年1月4日 21時) (レス) id: b520771701 (このIDを非表示/違反報告)
にこまる(プロフ) - お話すごく面白かったです泣 ｷﾓﾄさん需要ありまくりなので、また書いていただけるとありがたいです👍 (2023年1月3日 11時) (レス) @page9 id: 277042bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみうか | 作成日時：2022年11月20日 21時
