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私たちふたりはしばらく無言で歩き続けた。
その間私は周りの景色を見ながら辻さんとの思い出を懐かしんでいた。
辻さんと食べたクレープ屋さん。
単独のVで出させてもらったときの公園。
辻さんについて行った古着屋さん。
暇を持て余すためだけにただただ歩いた意味わからん細すぎる通り。
その横を通り過ぎて歩くたび、あの頃を逆再生しているかのようでなんだかおもしろかった。
『A』
しばらくして辻さんが口を開いた。
「なんですか」
『俺ちょっとうそついたわ』
真っ暗な空を見上げながら辻さんが言った。
「さっきちょっとだけ不安って言ったやん」
『はい』
「あれうそでさぁ。ほんまは」
「めちゃめちゃ不安」
『…はいw 』
「俺ら東京行くって決めて周りみんな背中押してくれて。
自分らで決めたことやしもちろん気合も十分あんねんけ
ど」
『不安は拭いきれない、と』
「そーゆーことやわ」
辻さんは私に目を合わせずただ前を向いて進む。
私は反対にきれいな辻さんの横顔を見ていた。
「やっぱマンゲキ所属っていう肩書がなくなるだけでこんな不安なんやなって」
ゆっくりと噛みしめるように辻さんが言う。
「居場所を自ら手放して行くっていうこわさ」
「どうしようもないことってわかってんねん」
「けど、こーゆーのってどうしたらいいんやろ」
決して声色は変わらない辻さん。
でもそんな辻さんも思い悩むことがあるんだと初めて知ったときは少し安心した。
『…私の個人的なやつでいいですか？』
「それでいい。それをきいてる。」
『私は拭いきれないくらいの不安があるときいっぱい泣いていっぱい食べていっぱい寝ます』
「…ふふっw」
『なんですか』
「思ってるよりもAの解決策やったなってw」
『やから言ったのに！』
「ええよwあってる」
『…それはひとりでいるときのやつで、相手がいる場合は
ハグしてもらう。それだけです』
『これが私の解決策』
「アナザースカイみたいに」
『言ってないでしょ』
今度はふたりであははと笑った。
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ふみうか - オズワルダー・カイさん» そんなこと言っていただけるなんて…！そこの黄金比率だいじですよね(( こちらこそ読んでいただいてありがとうございます！！ (2023年4月8日 19時) (
レス) id: b520771701 (このIDを非表示/違反報告)
オズワルダー・カイ(プロフ) - 阪本さんのかわいいところとキモいところがうまく表現されてて、面白いです！ ありがとうございます！ (2023年4月8日 14時) (レス) id: e9b28fbcad (このIDを非表示/違反報告)
にこまる(プロフ) - ふみうかさん» うわー😭ありがとうございます！！😭😭 (2023年1月4日 21時) (レス) id: 277042bd5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみうか - にこまるさん» ホントですか！！ありがとうございます😭遅くなると思いますが、また書きますね！ (2023年1月4日 21時) (レス) id: b520771701 (このIDを非表示/違反報告)
にこまる(プロフ) - お話すごく面白かったです泣 ｷﾓﾄさん需要ありまくりなので、また書いていただけるとありがたいです👍 (2023年1月3日 11時) (レス) @page9 id: 277042bd5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみうか | 作成日時：2022年11月20日 21時
