no.18 ページ18
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結論から言うともう1回はなかった。
なぜなら、お強請り上手な角名くんをスタミナ全部を使ってなんとか押し止めたからである。
「ねえA」
「………………」
「ねえってば」
そしてそんな激闘(？)を終えた私は、
ベッドの隅で膝を抱えて小さく座っていた。
もちろん彼から距離を置いて、だ。
「なんでそんな遠くにいんの」
「………………」
「そっち行っていい？」
「来たらぶっ叩く」
「怖い怖い」
膝上に顎を乗せながら言葉を返すと、
少し離れたところから軽く笑う彼の声がした。
文字通り、私は身をもってあの夜の事を知ることができた。
そりゃあもう十分です満足ですというくらいに。
なのに、このお兄さんときたら、
「よっ、と」
「えっ、うわっ何でこっち来た！？」
「ん？なんとなく」
なぜか容赦なく追いつめてくるわけで。
「あれ、ぶっ叩かないんだ」
「〜〜〜っっ」
肩が触れるくらいに距離を詰めてきてはニヤリと笑った。
もうずるい。ほんと卑怯すぎる。
手慣れているとはいえ、ここまでとは！！(勝手な解釈)
耳と顔が熱くなって思わず目線を逸らす。
膝をぎゅっと抱き寄せつつ心を落ち着かせていると、
真横から落ち着いた声が聞こえた。
「Aはさ、俺とこうしてて何とも思わないの？」
「え？」
長い指先が肩にかかっていた髪を後ろに流して、
くせっ毛な頭が左肩にもたれ掛かってきた。
え、なにこれ。どういう………えっ？？
突然のことに混乱して体がビクッと固まる。
心臓だけが大きく跳ねる。
「俺よりAの方がよっぽどズルい」
まるで甘えるように頭をすり寄せられて。
縋るような、どこか寂しさを含んだ声に目を見開く。
え、あざと。また息が止まりそうになった。
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作者名：. | 作成日時：2020年5月29日 23時
