005戦犯の気まぐれ ページ5
Side甚爾
気まぐれだった。今にも雨が降り出しそうな中、くたびれたスーツ、目の下に拵えたクマ、今にも泣き出しそうな仔猫みたいな顔。
癒月そっくりの顔をしたソイツは呆然とした様子で葬儀にやってきた。顔立ちも髪の癖も何もかも似通っているのに、ナニカ違う。
「お前、どこ住んでんだ？」
「実家です」
「じゃ、丁度いいわ。コイツの面倒見るがてら家に来い。住み込みで雇ってやるよ」
気まぐれだった。癒月がいねぇ中生活するなんて無理だと思った。だから半ばやけっぱちで提案した。ガキのお守りと家事、それだけの事。
それすらも出来ねぇ俺よりは余っ程良い。
「その話、受けましょう」
「ん、じゃあ決まりだな」
あっさり過ぎるほどあっさりと話を受諾した女──A──はぴょこぴょこと髪を跳ねさせながらついてくる。...マジで仔猫みてぇだな。
家に帰ってすぐ簡単に説明だけして寝転がった俺に何か言う訳でもなく、恵を視ながら家事を進める。恵が「かあ、さん？」と発した声が耳朶を打ってハッとAを見た。
「恵くん。君のお母さんはもう居ないんだよ」
「いなぁいー？」
残酷ながらも突きつけてくる現実を俯瞰しているような感覚に襲われて慌てて目を逸らした。...弾でも弾きに行くか。
態々玄関先まで出てきて送ってくれるAに矢張り癒月のような幻影を通し見てしまう自分がいる。ざけんなよ。
「じゃあな」
乱暴にドアを閉めたあと2人の頭を掻き回した手のひらを眺める。何かを潰すかのように拳を固く握りしめた。
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三井葵(プロフ) - 最高の小説ですよ👍私の最推しパパ黒なのでこのお話物凄く好きですよ!更新楽しみに首を長くして待ってます (10月28日 9時) (
レス) @page6 id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)
Geekest - え、好きです、もう大好きです。そのままぱぱ黒にはママ黒と主さんを重ねて見てもらって(( モヤモヤする主さんと純粋な恵くんが見たいいいいいい！ 更新楽しみに待っております！ (10月27日 21時) (レス) @page1 id: 4581214207 (このIDを非表示/違反報告)
いてこひゃ - あぁぁぁ...最推し甚爾さんなんです、ありがとうございます、いただきます...！毎回更新と新作楽しみにしていて、今回のお話も大好きです...応援しています-`📢⋆ (10月27日 17時) (レス) id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
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