003私は姉さんじゃない ページ3
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「俺がお前に求めるのは主に2つ。ガキのお守りと家事な」
「家事って何種類もあるの纏めてですか」
「当たり前だろ」
まぁ、家事は得意なので良いですよ、と言ってつと立ち上がって家の中を軽く見渡した。決して広くはないけれど簡単に片付けられた部屋。
ごろりと寝転がる甚爾さんがやったとは思えないから恐らく姉さんがやっていたのだろう。
どうしたの、と言っている恵くんにニコニコと微笑みかけてゆっくり抱き上げた。驚いたり泣き叫んだりされると思っていたのに恵くんはふにゃっと優しく笑った。
「・・かあ、さん？」
「恵くん。君のお母さんはもう居ないんだよ」
「いなぁいー？」
分からないよねぇ。
私だってまだ実感が湧いていないんだ。よく分からない、病気ではなくナニカ別のもの。踏み込んではいけない領域の、介入できないもの。一般人には理解できない原因。
似ている私に薄らと覚えている母親を投影してしまうのは致し方ないこと。そんなこと分かりきっているし、良いのだけど。
「なんか嫌だなぁ。恵くん、私はお母さんじゃないよ。ごめんね……」
・・・
「お前何でも出来んのかよ。仕事は？」
「家事は基本何でも。仕事はただの送迎ドライバーです」
「へぇ、かなり信用されてるとみた」
そうでもないですよ、苦笑してそう返す。ただの、都合のいい人間として使われているだけだから。元気よく跳ねた髪の毛が恵くんの動きに合わせてぴょこぴょこと動く。
「甚爾さん、なんで私を置いてくれてるんですか」
「理由はねぇよ。何となくだ」
「そうですか」
仕事に行ってくる、と言っていそいそと出かける用意を始めた甚爾さんを恵くんと共に眺める。仕事ってなんですか、と聞けば「馬を見て、弾を打つ仕事」と返答がくる。
……甚爾さん、私でも競馬とパチンコくらい分かりますからね。
「じゃあな」
ぐしゃぐしゃと頭を掻き回されて変な声が出る。恵くんは慣れているようで荒っぽい手つきを抵抗なく受け入れていた。
バタン、としまって暫くは空く気配のしないドアをぼんやりと眺める。
「・・甚爾さん、私姉さんじゃないですからね」
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三井葵(プロフ) - 最高の小説ですよ👍私の最推しパパ黒なのでこのお話物凄く好きですよ!更新楽しみに首を長くして待ってます (10月28日 9時) (
レス) @page6 id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)
Geekest - え、好きです、もう大好きです。そのままぱぱ黒にはママ黒と主さんを重ねて見てもらって(( モヤモヤする主さんと純粋な恵くんが見たいいいいいい！ 更新楽しみに待っております！ (10月27日 21時) (レス) @page1 id: 4581214207 (このIDを非表示/違反報告)
いてこひゃ - あぁぁぁ...最推し甚爾さんなんです、ありがとうございます、いただきます...！毎回更新と新作楽しみにしていて、今回のお話も大好きです...応援しています-`📢⋆ (10月27日 17時) (レス) id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
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