浮気…してるんだよね？【及川徹】

2人の約束。 ページ42

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Asaid









天気も良くて気温が高い空の下。
木陰に入れば、心地よい風が私たちの髪を靡かせる。









『｢……。｣』









特に何もないままの無言。









徹と話したときもこの無言はあったけど、今の無言はそれさえも幸せに感じる。









｢なあ…A。｣









『なーに？貴大くん。』









｢好きだよ。これからもずっと。｣








『どーしたの急にw』









｢不安になった。Aが離れていくと思うと…。｣









そんな切なそうな顔をする貴大くんの背中に腕を回す。









『大丈夫。私も貴大くんのこと大好きだから。それに、不安になるのは私も一緒だよ？』









｢A…。｣









『だから約束しよ？』









｢約…束？｣









『そう、約束。悩みとか不安とかはちゃんと話す。1人で抱えない。半分こ、だよ？』









｢おう、分かった。ありがとな、A。｣









そう言うと貴大くんはぎゅーっと私を抱きしめ返す。









『ううん。私はいつも貴大くんにありがとうをもらってるから、これくらい何てことないよ。』









｢それでも俺は嬉しいから。｣









貴大くんの顔が見たくなって顔を上げると、同じタイミングで貴大くんも顔を上げる。









｢A。｣








『貴大く…｢“貴大”って呼んで？｣…貴大。』









お互いに名前を呼ぶと、貴大く…じゃなくて貴大の顔が目の前に来て、触れるか触れないかの距離で止まり、そっと唇が触れた。









『ふふっ。何か恥ずかしいねww』









｢だなwwよし、肉食い行くぞ！！｣









貴大は私の手を取り、皆がいる所へ走り出す。









“この人の背中にずっと着いていきたい。”









そんな今の私は、貴大でいっぱいだ。

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