ノスタルジア・ラヴァー (Daiki.A) (ページ8)

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ふたりの距離② ページ8

先生「あと一歩遅かったら遅刻だぞ！今日はギリギリだから許す。」

A「あ、ありがとうございます…。」

みんなが席についている中、そーっと後ろから入ったものの担任にはバレてしまい。

もちろんのこと怒られてしまった。

時計を見ると、ぴったり8時40分。

ホームルームが始まる時間。

…あと、5分。

隣の空席を横目に、時計の秒針がぐるぐると回るのを眺める。

＿＿カチッ、

＿＿＿キーンコーンカーンコーン…

ガラガラッと大きな音を立てて、彼は入ってきた。

先生「おい有岡！」

大貴「おはようございまーす。」

少し遊ばせた茶髪と、緩いネクタイ。

シャツもズボンから出たまんま。

先生「お前今日で遅刻何回目だ！」

大貴「んー、12回目ぐらいっすかね。」

先生「そんな呑気に言ってる場合か！」

何食わぬ顔で机と机の間を通って、自分の席がある方へと歩いていく。

大貴「んー、まぁそうっすね。朝には弱いんで。」

何一つ乱れていない前髪を手でくしゃくしゃと触ると、
なんの悪びれもなく答えた。

先生「はぁ…お前らは遅刻するんじゃねーぞー。」

全員「はーい。」

先生も呆れて物も言えないほど呑気な彼は、わたしの隣の空席を埋めた。

大貴「おはよ。」

A「おはよう。今日も相変わらず遅いね？」

大貴「うるせーよ。今日は早い方だっつーの。」

わたしが大好きだった大ちゃんだ。