. ページ8
.
『あなたも新入生？』
最初に口を開いたのは少女だった
「あ、ああ...」
『席が空いてないならここに座る？』
ニッコリと微笑んだ少女に、ドラコは今までに感じたことのないような心臓の鼓動を感じた
(本当は自分の席があるんだが...)
そう思いながらも促されるままにその美しい少女の前に腰掛ける
近寄るとふわりと鼻腔を掠めた、クラッブとゴイル達が放つ嫌悪する甘い香りとは違う、優しくも甘美な香りにドラコの緊張は最高潮にまで達した
どうしてだろう、今まで関わってきた女達とは纏う雰囲気が違うからか
出会って間もない相手にこんなに乱されるなんて、そんなの僕ではない
『私A・フロー。あなたは？』
「ドラコだ、ドラコ・マルフォイ...」
『ドラコ？変わった名前！なんか逆にイケてない！？』
い、イケ...？
なんて...？
「ふん、変わってるとはよく言われるよ」
ドラコは名乗った時必ずと言っていいほど発せられてきたそのワードに自嘲気味に笑いながらも、悪意もなく無邪気に笑うAを前に、そこまで悪い気はしなかった
Aと名乗る少女をドラコはすかさず観察する
身なりはいい、衣服も持ち物もかなり高級なものだろう
整えられた艶のある髪、内から輝くような柔らかそうな白い肌
貴族生まれのドラコの目は肥えているからだろう。
この人間とは関わるに値する、そう直感でドラコは感じたのだ
邪心ではない、純血以外排他主義の一族の元で育った環境が彼をそうさせているのだ
「フローとは聞いたことない名だな。どこの一族だ？」
聖28一族でもそんなファーストネームは聞いたことがない
明らかに一般家庭出身ではないであろう彼女にドラコは問いかけた
『一族？フロー財閥よ、マグル界で知らない人はいないわ』
「マグルだと？」
マグル、その言葉にドラコの細い眉がピクリと動く
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芙蓉(プロフ) - mypuppy66さん» コメントいただけて嬉しいです！これからもどうぞよろしくお願いいたします(*^^*) (2月6日 5時) (
レス) id: b527ebd726 (このIDを非表示/違反報告)
mypuppy66(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにお待ちしています♩ (2月5日 19時) (レス) @page18 id: 95d4a691f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芙蓉 | 作成日時：2024年2月3日 3時
