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意識のない間、少し覚えていることがあった
たまに聞こえる私を呼ぶ声、髪を撫でる冷たい指の感触
目が開けず姿が確認できなかったけれど
なぜか妙に安心できて、同時に少し切なくもなった
それは声の主がいつも泣いているような気がしたから
あれは誰だったんだろう...
｢A｣
『え？』
突然頭上から声が聞こえ、驚いて顔を上げた
『ハリー！？どうしたの？』
驚いた。数分前に帰ったはずのハリーが目の前にいる。
走ってきたのか、肩で息をしながらも彼は口を開いた
｢ごめん、やっぱり君とまだ話したくて｣
『え...』
ズレた眼鏡を直しながら彼は近くにあった丸椅子に腰掛けた
『もちろんいいよ、寂しかったし…』
｢そう...良かった｣
数十秒の沈黙のあと、やっとハリーは口を開いた
｢顔…傷が残らなくて良かった｣
『そうみたいね！嫁の貰い手なくなっちゃうとこだった...あ、でも最近はレーザーで治療できるのよマグルの世界では！』
｢そうなの？もし治らなくても僕が…いや、｣
『ん？』
突然ハリーは黙り込み、そのせいか病室の空気は重くなった
｢...A、ごめん｣
ちらりと私を一瞥し、ハリーはまた俯いた
『え…？』
｢この3年間...僕ら協力し合ってきたけど、そのせいで君をたくさん危険な目に合わせてきた...ごめん｣
『ハリー、どうして謝るの？私が勝手に...』
そうよ、なぜあなたが謝るの？
今まで事件に巻き込まれて怪我をしてきたのは全て自分のせいだ
後悔なんてしてない、ハリーやハーマイオニー達と乗り越えてきたことが誇らしいぐらい
｢あの時...僕らが暴れ柳に襲われていた時、急に君の声が聞こえなくなって僕すごく怖くなったんだ｣
｢君を失ったら僕は一生後悔する...｣
ハリーが俯いているせいで表情が見えない
そんなに怯えた声色をして...ハリー、あなたどんな表情をしているの？
｢嫌なんだ。君を守れずにいることが。
…それに、はやく伝えておけば良かったって思ったんだ｣
『ハリー...？』
ハリーが顔を上げ、視線がぶつかり合う
真っ直ぐに私を見つめる瞳は、見るものを黙らせる力でもあるのだろうか
その気迫に私は息を呑み、口を噤んだ
｢君が好きだ、A。
二度と君にこんな怪我を負わせたくない、僕に君を守らせて...｣
そう言い、ハリーは私の手を握った
手から伝わる想いが熱くて、焼けてしまいそうだった
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芙蓉(プロフ) - mypuppy66さん» コメントいただけて嬉しいです！これからもどうぞよろしくお願いいたします(*^^*) (2月6日 5時) (
レス) id: b527ebd726 (このIDを非表示/違反報告)
mypuppy66(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにお待ちしています♩ (2月5日 19時) (レス) @page18 id: 95d4a691f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芙蓉 | 作成日時：2024年2月3日 3時
