15.冷たい指先 ページ47
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Aが次に目を覚ましたのは暴れ柳に吹き飛ばされてから4日経過した後だった
｢A...！！｣
重たい瞼を無理やりこじ開け、目に刺さるような光に顔を歪ませながらもAは目の前にいる人物に焦点を合わせる
やがてボヤけていた視界が晴れ、心配そうに覗き込むその顔がハッキリとした
丸い銀の眼鏡に、少し寝癖のついた黒髪とエメラルドグリーンの瞳
(綺麗な翠…...あぁそういえばこんな宝石を昔見たことがある...)
昔幼い頃エメラルドの施された母の首飾りを、母に泣いて欲しいと強請ったのをAは寝起きのぼんやりとした頭で思い出した
あれは母の魔女である祖母の形見だった
『ハリー...？』
｢A...あぁ...本当に良かった...｣
ハリーはギュッとAの手を握り、自身の頬でその体温を感じた
あぁ、生きてるんだ、彼女が目を覚ましてくれた
｢君、暴れ柳に玄関の方まで飛ばされたんだ。全身骨折に加えて頭を強く打って…4日も目を覚まさなかったんだよ｣
『えっ...骨折？』
こくりとハリーが頷く
Aはキョロキョロと辺りを見渡した
『そしてここはどこ...？』
見慣れぬ病室にAは不思議がった
ホグワーツのマダム・ポンフリーの医務室ではない
充満する薬の香りは、またあなたですか！？という彼女の声が今にでも聞こえてきそうだというのに
｢病院だよ。聖マンゴ魔法...えっと｣
｢聖マンゴ魔法疾患傷害病院よ！｣
『ハーマイオニー！ロン！』
真っ白い病室の入口から、私服姿のハーマイオニーとロンが並んで現れた
小走りでハーマイオニーはAに駆け寄り、まだ包帯の巻かれる身体をそっと抱き締めた
｢とっても心配したのよ…｣
ハーマイオニーの瞳からは今にも涙が零れ落ちそうだ
｢Aやっと目を覚ましたんだね！僕てっきりもう...｣
｢ロン！不吉なこと言わないで！
A、あなた酷い怪我で病院に運ばれたのよ。医務室じゃ手に負えないって...｣
『そうだったんだ...ロンも無事だったんだね』
Aは意識を失う前、ロンを助けようと必死だったことを思い出した
真っ黒な狼と、暴れ柳
そしてバックビークの死…
意識を失っていたAはハーマイオニーのタイムターナーでバックビークが死を免れたことを知らずにいた
そして狼の正体は、数ヶ月前アズカバンを脱獄したシリウス・ブラックであったこと
｢そのことなんだけどね...｣
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芙蓉(プロフ) - mypuppy66さん» コメントいただけて嬉しいです！これからもどうぞよろしくお願いいたします(*^^*) (2月6日 5時) (
レス) id: b527ebd726 (このIDを非表示/違反報告)
mypuppy66(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにお待ちしています♩ (2月5日 19時) (レス) @page18 id: 95d4a691f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芙蓉 | 作成日時：2024年2月3日 3時
