14.運命の渦中 ページ44
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2階の教室を飛び出したAは近くにいたスリザリンの生徒を呼び止め、ドラコがハグリッドの小屋の方に向かったことを聞いた
まだ、いるだろうか
少し上がってきた息など気にも止めず、Aは再び足を動かす
足に絡まるローブに苛立ちが募る
居残りのせいで着替えられなかったせいだ
彼女はローブを掴み、床へ投げ捨てた
『あっ...』
小屋の方へ繋がる通路を抜け、外に出てすぐ遠くの方にハリー達の姿が見え、Aは一瞬立ち止まって考えた
このままハリー達と合流すべきか、ドラコを探すのを続けるか
普段から何事も直感で行動するAは置かれた状況に困惑した
まるで友情か恋愛を天秤にかけるようで気が引けたが、すぐにバックビークの最期を見届けなくてはいけないと判断し丘を下った
この決断が後に彼女を苦しめることになるが、きっとこれは彼女自身の数奇な運命の項目に組み込まれた決定事項だったのかも知れない
ドラコ達とAは、廊下の曲がり角で別々の方向に分かれてしまっていた
『みんな！遅れてごめんなさい！』
下り坂に足が縺れそうになりながらも、Aはハリー達3人に声をかけた
「A！遅いよ！あとちょっと早ければ最高な瞬間が見れたのに！」
「ちょっとロン！」
ロンは少し興奮気味にAに近づくが、ハーマイオニーに阻止される
たった数分前、ハーマイオニーはドラコに杖を突きつけ、その高い鼻をへし折ってやったのだ
その場にAがいたらドラコはあんなことを言わなかったであろう
ハーマイオニーがバツが悪そうに事の経緯を話すと、それは殴られても仕方ないね、とでも言いたげにAは笑いながら肩を竦めた
どうしてドラコ達とすれ違わなかったのだろう、Aは不思議に思っていた
合流した4人は、その巨体を縮ませながら嘆き悲しむハグリッドを慰めながらも最後までなんとかしようと案を出し合った
ハグリッドはとうに諦めていて、風に吹かれ気持ちよさそうなバックビークを見つめているだけだ
そしてふと思い出したかのように缶の中から1匹のネズミを取り出しロンに渡した
数日前に逃げ出したままだったスキャバーズだ
クッキーかなにかの缶に入れてるだなんてハグリッドらしいわ、とAは少し微笑ましくなった
そしてロンとハーマイオニーが口喧嘩を始め、あーあ、また始まったとハリーと顔を見合せた
しかし次の瞬間、机の上の瓶がパリン！と空気を引き裂くような音を立てて割れたのだ
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芙蓉(プロフ) - mypuppy66さん» コメントいただけて嬉しいです！これからもどうぞよろしくお願いいたします(*^^*) (2月6日 5時) (
レス) id: b527ebd726 (このIDを非表示/違反報告)
mypuppy66(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにお待ちしています♩ (2月5日 19時) (レス) @page18 id: 95d4a691f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芙蓉 | 作成日時：2024年2月3日 3時
