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風に乗ってドラコのコロンがAの鼻腔を掠める
瞼を開き、Aはドラコの方を見た
すぐに目が合ったことでドラコもこちらを見ていたことに少し驚く
淡いアイスブルーの瞳にブルーベルの花が反射し、宝石のようだ
最初に見た時に冷たい印象を受けたことをAは思い出した
でも彼は純粋で、他人に対する厳しい態度も完璧主義であるが故だった
本当は誰よりも素直な心の持ち主なんだ
『綺麗…』
「ん？」
木の葉の隙間から漏れた光が、ドラコのホワイトブロンドに透けてキラキラと反射し、眩しくて思わず目を細めた
狭まった視界の中、こちらに手が伸びるのがぼんやりと見え、
ドラコの少しひんやりとした手のひらがAの頬に優しく触れる
指の腹でそっと輪郭を撫でられ、擽ったくてAはフフ、と顔を傾けて笑い声を漏らした
その様子が愛おしくて、ドラコはAの髪に触れるだけのキスを落とした
時がゆっくりと流れるのを2人は感じていた
魔法界の些細な事件も、お互いの家庭の事情もどこか別の世界の出来事のように遠く、今はただ忘れていたかったのだ
春休みはすぐに過ぎていった
時間が合えば、湖の畔のシーズン真っ盛りのブルーベルの花に囲まれながら談笑したり本を読んだりした
Aは、毎日数時間どこに行っているのかロンとハーマイオニーに尋ねられたが答えなかった
ハリーだけは、忍びの地図でAがドラコと玄関ホールや天文棟の屋上で待ち合わせてからどこかへ消えることを知っていたが、Aが楽しそうならそれでいいと思っていたのだ
梟小屋で彼女に会う度、何度もドラコとの関係を聞こうと思ったがAのことになるとハリーは少し臆病になる
Aに誰か特別な人がいると知ってしまえば、自分の思いは行き場をなくし宙に浮いてしまう
それが何よりも嫌だった
アイコンタクトする2人に気づく度、気持ちを押し殺すだけでAの傍にいられるならそれでいいと自分に言い聞かせ続けた
そんなハリーを尻目に、2人がお互いに夢中になっていくのにそう時間はかからなかった
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芙蓉(プロフ) - mypuppy66さん» コメントいただけて嬉しいです！これからもどうぞよろしくお願いいたします(*^^*) (2月6日 5時) (
レス) id: b527ebd726 (このIDを非表示/違反報告)
mypuppy66(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにお待ちしています♩ (2月5日 19時) (レス) @page18 id: 95d4a691f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芙蓉 | 作成日時：2024年2月3日 3時
