9.すれ違い ページ30
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「なんか変ね」
冬休み明け、4人が顔を合わせた開口一番にハーマイオニーが言った。
ギクリとしたのはハリーとA
いつもは隣に座っていた2人が、今日はハーマイオニーとA、その向かいにロンとハリーという構造に変化していた
「僕も思った、今日のミートパイ味がちょっと薄くないか？」
「違うわよロン、そこじゃない。」
ハーマイオニーが言いたかったのは朝食に出たミートパイのことなどではない
ハリーとAの、謎のよそよそしさに違和感を感じてたのだ
この3年間1度も喧嘩をしたことのない2人だ
お互い目を見ず、顔を背けている様子など見たことがなかった。
「ねぇ、あなたたち喧嘩でもしたの？」
「……」
「ハリーとAが！？珍しいこともあるね」
『別に…寝違えただけよ』
Aはハーマイオニーの方を向いたままだ
ハリーの顔を見るのが気まずい事もそうだが、それよりももっと気まずいのは、ハリーの奥にスリザリン生の座っているテーブルがあるからだ
視界の端、僅かに映るブロンドに意識が行ってしまう
(あのパーティの日…あれからどうやって帰ったかボンヤリとしか覚えてない…)
ジャスミンと上品なグリーンアップルの交わった香りと、唇に触れた柔らかな感触
それがやけに鮮明にAの記憶に残っていた
いつもは意地悪な言葉ばかり吐き出すドラコの口から発せられた、好きだという言葉、いつになく真剣なその様子に何も言葉を返すことができなかった
目をつぶるとその光景が何度もフラッシュバックする
「A、顔が赤いけどまた熱でもあるんじゃない？」
『え』
ハーマイオニーがAの顔を覗き込む
確かにAの真っ白な頬は徐々にそのピンク色を濃くしていく
「A、具合が悪いの？」
無言を貫いていたハリーだが、Aが心配なのか突然口を開いた
それに反応してしまったAは思わずハリーの方を向いてしまった
そうなればもちろん視界に入ってきた、ハリーとその先の人物
ハリーの肩越しに、ドラコと目が合ってしまった
『わ、私先行くね！！』
顔を真っ赤にしたAは、ガタン！と音を立てて椅子から立ち上がると頬を手で抑えて出口まで走って行く
「A！？」
「A待って！ごめん、僕追いかけてくる！」
すかさずハリーも立ち上がると、その背中を追った
「ハリーまでどうしちゃったんだよ…。逃げ出すほど不味いのか今日のミートパイ……」
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芙蓉(プロフ) - mypuppy66さん» コメントいただけて嬉しいです！これからもどうぞよろしくお願いいたします(*^^*) (2月6日 5時) (
レス) id: b527ebd726 (このIDを非表示/違反報告)
mypuppy66(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにお待ちしています♩ (2月5日 19時) (レス) @page18 id: 95d4a691f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芙蓉 | 作成日時：2024年2月3日 3時
