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「…眠れなくて」
Aの座るソファの隣の1人用のカウチにハリーは腰を下ろした
『また…なにか悩んでるの？』
Aは変なところで勘が鋭い
過去何度こうして1人抱え込むハリーの心に踏み込んで来てくれたことだろう
でも今までとは違う点がひとつある
僕自身の過去との葛藤や闘いによるものが主な原因だったはずなのに今は全く関係のない思春期特有の甘酸っぱい悩みで頭を抱えているのだ
「いや、大丈夫だよ…Aは明日帰るんだっけ？」
『うん、昼の列車でね』
「そっか、気をつけて。…でも確か去年は帰ってなかったよね」
『…そうね』
沈黙が痛かった
パチパチという炎の音がやけに響く
「マルフォイの家のパーティーに行くからだろ？」
『え？』
「本当に行くの？あいつはスリザリンだぞ」
暖炉の火が勢いを増していく
『スリザリンにも良い人はいるわ』
「でもマルフォイだ、僕やハーマイオニー、ロンに何をしてきたか忘れたのか？」
まるでダムが崩壊したように言葉が水のように流れ出る
わざと君を傷つけるようなことをどうして言いたくなるんだ
「もし純血主義の奴らに何かされたら？マルフォイは君を嵌める気かも知れないだろ、あの父親が黙っていないよ、僕と仲良くしてるんだ」
『それは…』
「あいつは最低だ！いい所なんて1つもない！そんな奴の家にノコノコ行くなんて君どうかしてるよ！あんな…あんな奴、」
『なんてこと言うの！？』
ハリー達の熱に呼応するように、いつの間にか暖炉の炎は轟々と音を立てて燃え、その煉瓦造りの枠には収まらなくなっている
「最低な奴だよ……君もそうなりたいのか？」
シュゥ…と炎が燃え尽き、辺りが薄暗くなった
Aの表情が見えない
たった今放った自分の言葉に、ハリーはハッとする
僕はいま何を……
こんなのただの八つ当たりじゃないか
『ハリー…あなたこそどうかしてるわ、少なくともドラコは父親のような残酷な人じゃない…』
パタパタと走り去るAのスリッパの音が談話室に響いた
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芙蓉(プロフ) - mypuppy66さん» コメントいただけて嬉しいです！これからもどうぞよろしくお願いいたします(*^^*) (2月6日 5時) (
レス) id: b527ebd726 (このIDを非表示/違反報告)
mypuppy66(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにお待ちしています♩ (2月5日 19時) (レス) @page18 id: 95d4a691f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芙蓉 | 作成日時：2024年2月3日 3時
