1.箱の上の梟 ページ2
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少女は飽き飽きしていた
富や名声に拘るうるさい大人達、その大人たちの影響を受けた傲慢でマセた歳の近い友達
宝石やドレス、ゲーム、人気の小説の未公開のページさえ望めば手に入れられる
自分を取り囲む恵まれた環境、その全てが退屈の要因だったのだ。
その少女の名前はA・フロー
好きな物、キラキラしたもの、シャネルの新作、ピンク、刺激的な体験
Aの周りはありとあらゆる好きなもので埋めつくされている
でもたった1つ、彼女にも手に入らないものがあった
考えが覆されるような驚きや出来事、まだ見ぬ生き物の存在する場所
そんな体験のできる世界を彼女は渇望していた
Aは11歳の誕生日パーティーには相応しくない、退屈そうなため息をついた
「どうしたの？こーんなに大きなパーティーの主役がそんな顔しちゃダメじゃない」
だだっ広い会場の中央、煌びやかなステージに腰掛けブラブラと足を揺らすAに声をかけたのは友人のジェニだった
「気に入ったプレゼントがなかったの？」
『ちがーう...お父様とお母様と一緒に挨拶周りするのが疲れたのよ。
それにプレゼントなんて毎年似たようなもんじゃん。』
「でもあのバッグ、もうひとつはミラノにしかない限定ものじゃない、1番最初に手に入れるなんてさすがフロー財閥ね。」
『うーん...』
Aは世界で1番と言っても障りない、この世で最も富を持つ財閥
フロー家の一人娘なのだ
おまけに歳の割には大人びた雰囲気を持つAは、整った容姿まで持っていた
水分をたっぷりと含む大きな瞳は長い睫毛に囲われ、バラの蕾のようなほんのりと紅い唇に、中心を飾り立てる鼻はツンと高く
その相貌は彫刻をも思わす出来であった
スラリと伸びる手足はモデルの母譲りのものだ
何もかもを持って生まれた少女の将来を、誰もが期待している
そんな中、当の本人は6回目の誕生日を迎える頃にはこの世の条理を知り始め
11回目の誕生日パーティーの今日、とうとう悪態をつき始めた。
『こんなパーティーどうでもいいわよ、それよりも面白い事がしたいの』
例えばそう、魔法が使えるようになったりね
魔法使いなんて、いるわけないけど
Aは流行りの音楽を口ずさみ、ステージの上のプレゼントの山に近づいた
開封するのが大変ね
そんな言葉を漏らすAは
車や見慣れたブランド品の箱たちを尻目に
この場所に相応しくないものを見つけた
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芙蓉(プロフ) - mypuppy66さん» コメントいただけて嬉しいです！これからもどうぞよろしくお願いいたします(*^^*) (2月6日 5時) (
レス) id: b527ebd726 (このIDを非表示/違反報告)
mypuppy66(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにお待ちしています♩ (2月5日 19時) (レス) @page18 id: 95d4a691f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芙蓉 | 作成日時：2024年2月3日 3時
