弟の推し ページ12
梅原side
｢…………｣
オーディションの日
端っこで縮こまってる藤先輩を発見したから
からかってやろうかと思ったんだけど
｢………｣
横顔も、全身強ばって
顔色が良くないから
梅原｢…｣
パンッと手を前に出して叩いた
｢うわっ？！な、なんだ？！？！｣
梅原｢大丈夫ですか？｣
｢あ、ああ……びっくりした…｣
梅原｢緊張してるんですか？｣
｢…好きな作者も来てるって…聞いて…、｣
｢人目見てから……その、なんか｣
｢………余計…｣
ぐぐぐ、と手を握って震えを抑えてた
｢…少しでいいんだけど、｣
手、あっためてくれない……？と言われて
梅原｢これで温まりますか？｣
凄い小さいし冷たすぎる
こんな状態の藤先輩なんて
見たことないんだけど
はじめて、同業者の女性に触れた
ブツブツと自分を落ち着かせてて
｢……ありがとう、今度お礼する、｣
と、手拭きを渡されて
彼女は行った
梅原｢…｣
その、小さな背中は
さっきよりは、マシに見えた
_______
堀江side
梅原｢って｣
大丈夫だった？と言われたので
堀江｢…めちゃくちゃ羨ましぃぃ、｣
梅原｢え？｣
堀江｢ねーちゃん、俺の前だと全然そんなの見せない
だから、羨ましいです…！レアだ！！｣
梅原｢まあ、身内に弱みって
年上は見せないよねぇ｣
｢………不合格｣
梅原｢え｣
後日、結果を聞いたら落ちたらしく
｢…ごめん、梅一郎くん｣
｢手、握って貰えてたのに｣
梅原｢いや、俺は温めただけなんで｣
｢いや、ほら｣
｢手を握ってくれたらさ？合格できるかもー
………みたいな？｣
梅原｢そんな宝くじ当たるかもーで
まねきねこ触るのとじゃ、違うんですよ｣
｢そ、そっか｣
｢好きな作者だったんだよね｣
｢いっぱいいるよね｣
好きだけど落ちちゃう
なんて話してる2人に
堀江｢俺は受かったよ、ねーちゃん｣
｢でかした！！！おめでとおおお！！｣
｢なあんだ〜〜！
瞬が居れば、私全然嬉しい！｣
堀江｢ねーちゃん、イベント来てね！！｣
｢行きます行きます！！
……ん？LINEだ｣
もしもーし、と電話し
｢瞬！！私らのユニット曲EDで使われるって！！｣
｢めちゃくちゃ嬉しい！！！｣
梅原｢なんか良かったですね｣
｢いや〜〜〜、関われるって嬉しいわぁ〜〜！｣
後日、ねーちゃんの方での投稿で
重要キャラクター(ボス)をやることになった
という報告を受けた(流石俺の推し！！！！)
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作者名：のるのら
| 作成日時：2023年10月26日 22時
