【完】江口兄が妹と暮らすお話

江口拓也の妹23 ページ23

江口side

テレビを真面目に見てるのは

江口｢なーんでそんなつまらんもんを｣

ニュースを見ていたので変える

｢かえないで！｣

江口｢え、なんで｣

｢おとなになるしゅぎょちゅなの！｣

江口｢梅ちゃんは別に賢くなくても待っててくれるよ｣

｢…ちがうもん｣

え、何が

江口｢ん？｣

｢…あわせて、もらってるもん｣

そんな事まで分かるようになったのー？

子供の成長早くない？え？俺このくらいの時こんな？

｢…あたまよく、なる｣

ひらがなのドリル、計算ドリル、色塗り用を持って

Aは勉強を始めた

｢…あ、い、う、え、お｣

江口｢…｣

形がいびつだけど、子供らしい字で書いて

最近の英才教育やらなんやら、色々やっているが

どれもAにとっては、大人との会話で吸収してる

運動も音楽も難なくこなすし、趣味を増やし始めた

｢たくちゃ、｣

江口｢はい、なあに。わからないところあった？｣

｢ぜんぶ、おわった！｣

はい、と渡してきたドリルには全部埋まっている

江口｢おー早いじゃん｣

｢れべるあっぷ！へい！｣

江口｢…英語も上手くなったの、天才か｣

新しいドリルを渡す

江口｢ちょっと難しいよ、できる？｣

｢…よめしゅぎょ、できる！｣

梅ちゃんのおかげで勉強が楽しいらしい

江口｢…｣

えんぴつを持つ小さな手、ちゃんと持ち方もマスターしてる

最近はお箸で食べるし、お皿を持って食べる

口周りも汚れなくなって、自分で拭いて食べてる

江口｢(梅ちゃんのために頑張ってるんだっけね)｣

Aは一生懸命、でも時々俺の顔を見てニコッと笑う

江口｢なあに、A｣

｢たくちゃ、しゅき！｣

その言い難い名前を呼んで、俺に笑いかけて好きという

可愛い可愛い31歳差の妹

江口｢俺も好きだよ、A｣

｢あ！でもいちばんは、うめちゃ！｣

江口｢あー…うん、いいよそれは…｣

最近1番じゃなくなったから寂しいです…

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