【声優・短編集】2

大先輩への憧れ【楠大典】リク ページ15

主人公side



梅原｢え、憧れ？｣

｢…朴璐美さんと楠大典さん｣

梅原｢へえ〜え？｣

｢舞台とか、吹き替えとか、あと｣

｢朗読劇したいの｣

梅原｢へえ〜…あれ、最初さ声優じゃなかったよね｣

そう、私はアーツビジョンに入る前に

舞台の衣装係とかをしてた



その時にたまたま楠大典さんを見て

声優もしてるって聞いて

それで、色んなことをしてると話を聞いて

声優とはなんぞ、と思って声をかけたのをきっかけに

声優の道へと進んだという



梅原｢ふーん、そんな事があったんだ｣

同年同期の梅原に話をした

梅原｢て、大学には通ってたの？｣

｢んーん、通ってない。専門学校で｣

｢舞台の衣装作ってたりしてた｣

元々私はアパレル業界に入るためにと

個人的に服作りが好きで

専門学校に入って、たまたま

友達経由で舞台のためにと参加した



そこで居たのが楠大典さんだった

｢人生を大きく変えたきっかけかな｣

梅原｢まあそうだよな｣

｢声優を知った後、朴璐美さんに憧れてさ｣

梅原｢あー…結構男役するもんな｣

｢あんな人になってみたい…｣

女性の憧れは朴璐美さん

女性なのにカッコイイし、なによりも

結構、男役の主人公をやってる



梅原｢あ、｣

楠大典さんが通って挨拶した

でも、それは挨拶だけで

梅原｢実は恋してたり？｣

と、私の顔を覗きこむ



｢…内緒で…笑｣

梅原｢ふーん、ま、わかるけど｣

年上の魅力的な話は、梅原にしか出来ん

だからすぐに見てバレた、という感じ



梅原｢なんか…でもそっか｣

｢？｣

梅原｢24歳差か｣

｢…まあ｣

梅原｢頑張れよ、応援してる｣

｢…いや、いい｣

梅原｢は？なんで｣

｢…同じ声優として、追いかけたものとして｣

｢なんか、それだけでいいっていうか｣



梅原｢…｣

｢…私なんて眼中にないよ笑｣

話しかけられたのが、あの時だけ

その後は話しかける機会がない

向こうは忘れてる、だってもう10年も前のことだ



梅原｢そんなんでいいの｣

｢いいよ、見られるだけでも幸せなの｣

話しかける勇気がない、あの頃の勢いは消えた



楠大典さんへの憧れは、恋愛も含みだけど

今は、まだ目の前のことに集中したいから

密かに恋をしてる、それだけでも楽しいから

帝王様の【森川智之】リク→←不器用な彼氏【榊原優希】リク

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す