量産地下ドル夢想曲 (ページ1)

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プロローグページ1

なんとなく見ていたSNSで、その子を見つけた。

ファンも少なくテレビ出演なんか嘘でも望めないくらい無名で、でも私にはこの世の誰よりも輝いて見えた。

その子の職業は地下アイドルと言うらしい。
東京なんて遠くて、学生の私が軽々行ける所ではない。
手を伸ばしたって届かない遥か遠くの存在。

憧れって、尊敬って、この事を言うんだとその時分かった。

いつか、彼女の様にキラキラと輝く星の様に、そう思った。

なんて考えていた時から数年経った。現実はそんなに甘くはないし、輝きなんかとは真反対のドロドロとした闇が広がっている。
給料は月数千、その割にはハードな仕事内容で趣味に使えるお金も時間も体力も残されてなかった。

「……いつまで続けてていいんだろ」

もう無理だって分かっているのに、あの輝きから目を奪われたまま星の幻影(それ)を追い続けている。