【WT男主】呪われてんだよ (ページ33)

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「麟児さんは、さっきの…雨取千佳のお兄さんです
僕の家庭教師でもありました。」

『ありました…ね、過去形だな』

「…はい、
昨年の5月に行方不明に…
あの、この話するなら千佳も…」

『いや、雨取ちゃんは大丈夫
むしろこういう話、雨取ちゃんに聞いていいのかわかんないし

それで、その行方不明になる前に何か変わったこと話なかった？？』

「…実は、ボーダーの協力者にトリガーを横流ししてもらって、一緒に近界(ネイバーフッド)へ行くって…」

やっぱり…
例の一緒に消えた一般市民は雨取麟児で1人は決まりか

『そっか
話してくれてありがと、三雲』

「A、もういいの？」

迅さんに聞かれ、はい、と返事をする

「あの…なんでA先輩はこの話を…？」

『あー、それは…』

俺が話すのを渋っていると、コンコンとドアがノックされる

やべ、話聞かれたか？

『どーぞ』

失礼しまーすと、声をかけ入ってきたのは宇佐美

なんだ、宇佐美か、よかった

「支部長(ボス)達も帰ってきたから
休憩にしようかなって！
区切りいい所で！」

『おっけ、ちょうどいいし、すぐ行くよ』

「あ、ほんと！！
修くんならお茶出し手伝ってくれる？」

「あ、はい！！」

おう、なんとラッキーな

宇佐美に続いて三雲も部屋を出ていく

迅さんと俺の2人、部屋に取り残される

『それじゃ、俺達も行きますか？』

「ねぇA…

例の事件気になってるみたいだけど
全部知ってるんじゃないの？

A、その事件の協力者(裏切り者)だって自分で言ってたじゃん」

『どれだけ事実が広まってるか、
それを知っておくのも協力者(裏切り者)の務めですからね』

すると立ち上がり俺の前に立つ迅さん

「…嘘つき」

『へ？』

「何年の付き合いだと思ってんの？
お前の嘘なんてすぐわかるよ

本当は例の事件に関係ないんでしょ？
そんなことしても、翠は喜ばないよ？

少しは俺の事信じてよ
俺は何があってもお前の味方だよ」

何があっても、ね、

それは…

『それは俺が、翠-あんたの親友-を殺したとしてと、同じこと言えるんですか』

するとポンッ、と頭の上に手を置かれる

「Aにはできないでしょ
翠-お前の家族-を殺すなんて」

『…だといいですね』

ー誤字訂正