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帳が上がった画を最後に真っ暗になったモニター。
長編映画を見終わった心情と疲労度に脱力した生徒たちとヒーロー。
そんな一般人の様子は微塵も興味がないというように、冥冥はさっさと烏に撤収を命じ術式を解く。
七海はその横で腕を組み、壁に寄り掛かっていた。
「＿＿＿＿来ました」
「あぁ、そのようだね。同じ質量の呪力が2つ。呪霊もさぞ吃驚だろう」
そう言って冥冥がくつくつと笑った瞬間。ｶﾞﾁｬﾝｯｯと派手な音を立てて扉が開いた。
皆の視線を一斉に浴びる扉の先には、片手でAを抱えた五条が立っていた。
突き刺さる目線、小さな悲鳴は黙殺。もう片方の手で包帯を直しながら長い脚でﾂｶﾂｶと七海と冥冥の元へ歩み寄る。
「！……彼女の容体は」
「一応息はある。ただ、出血と脳への負荷が酷い。原因は新しい方の拡張術式」
「敵の呪力感知、それに合わせた呪力操作までやってのけたんだ。成長期の頭にはかなりの負担だろう」
「冥さんの言う通り。だから僕たちは先に高専に飛ぶよ。その前に手短に用件だけ。
＿＿＿＿＿Aを
一瞬呆気に取られた七海だが、態と等級違いの呪霊をぶつけた五条の意図を理解し、鈍痛を訴える頭を抱えた。
知らぬ間に振り回されていた自分、一番の被害者であるAにも同情を覚えた。
「私は元よりそのつもりだよ。それが五条君の依頼だからね。七海君は？」
「……正直、前向きな検討はできません。したくもない。ですが、それは私個人のエゴでしかありません。もし彼女が上を望むなら、推薦します。五条さんの夢と呪術界の為が理由ならお断りです。他をあたってください」
できる限り子どもを危険に晒したくない。
遠回しに、それでも明確に伝わる七海の意思に五条はくすりと笑う。
肩に頭を預けて眠るAの血に塗れた寝顔を覗き込んでから、再び向き直った。
「起きたら直接、本人に聞いてみなよ。今僕が言った所で信用ないだろうから」
「分かりました。確認次第、お2人に連絡します」
「委細承知。それじゃあ、私は帰らせてもらうよ」
「オッケー！じゃ、ヒーロー側に簡単な説明ヨロシク☆」
「は、」
聞き捨てならない言葉を捨てて五条は飛んだ。
言い逃れた彼に気を取られたのも束の間、冥冥の姿も消えている。
思わず零れる深い溜め息。
2度目をなんとか吞み込み、如何説明しようか考えながら数多の視線の先を見返した。
8.半強制的PlusUltra【完】
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コロッケ - 本当に好き！主人公の性格とかも面白いしヒーローと呪術師の価値観の違いも上手く書かれてて最高です！是非更新宜しくお願いします！ (11月17日 2時) (
レス) @page17 id: 0002858abd (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 更新されててびっくりしました！これからも更新がんばってください！応援してます (10月19日 20時) (レス) @page16 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - 占ツクにこんな文章のしっかりしてる最高の作品があったとは。もう何回読み返したかわからない。更新お待ちしてます大好きです (8月30日 18時) (レス) id: b3cc1c8641 (このIDを非表示/違反報告)
わらび - 投稿ありがとうございます！オリ主ちゃんや、ストーリーが好みすぎて何度も繰り返し読んでます！これからも応援してます！ (8月21日 21時) (レス) @page15 id: 852819b8c2 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴリラ - ほんまに好きです最新まってます (8月15日 23時) (レス) @page14 id: fa8371b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2022年8月29日 22時
