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吐き捨てるように言い放った子ども＿＿少年が1歩、左足を前に踏み出した。
「僕が従うのはあの方のご指示のみ。それが君らの意思に沿わなかろうが、どれだけ外道であろうが関係ない。あの方が命じるのなら、遂行する。……それが僕の役目」
「！おいおま＿＿＿＿」
《十二支呼応術＿＿＿北北西：亥》
大きく前に出た彼のつま先から一筋の光が地面を走り抜ける。彼の指先がゆっくりと何かの紋を描く。彼の声に応えるかのように、光の亀裂から大きな影がゆらりと出てきて、立ちすくむ生徒たちを覆った。
「＿＿＿＿＿い…いの、しし…？！」
視界いっぱいに広がる輝きから顔を覗かせたのは、鋭い輝きを放つ立派な角を持った巨大な猪だった。
唖然と見上げるだけのヒーローたちの姿をギョロリとした真ん丸の目が映した途端、一瞬で瞳孔が縦に割れる。
不味い、誰もがそう思った時にはもう、耳が劈くような咆哮を上げて真っ直ぐに駆け出していた。
「は、、」
咄嗟に出た掌が、足が。個性を発動させようと構えたそれを、遮るかのようにとぐろを巻いた砂埃が｢そーれっ！｣という場違いなかけ声と共に霧散した。代わりに耳を劈く唸り声と轟音が辺り一体を駆け巡った。
暴風をひさしを作った手で防ぎ、その隙間からそっと目を覗かせる生徒たち。そこには先程まで此方に向かっていた猪がひっくり返っていたものだから、驚愕してさらに目を見開いた。
喰い殺さんばかりにギラギラと血走っていた筈の瞳と対面するも、焦点も合っていないそれには何も映っていなかった。それより目を引いたのは、その巨躯の中心に突き刺さる月光を受けて鋭く輝く、太くて大きな柱。
「猪はジビエ料理がメジャーだよねぇ…鍋も良いけど！でも式神って食べれるのかな」
あとで恵に聞いてみよ、と柱＿結晶の上で佇む彼女の口元がにぃっと弧を描いた。
「つ、月慕さんっ…？！」
「ん？お、出久だ。やっほー！出久はジビエとお鍋どっちがいいと思うー？」
「えっっ！？」
食うの？！コレを？！と全員の心の声が揃う。
問いかけられた本人はどう答えればいいか分からず、ワタワタと手を動かしていた。
「この石……なっ！？お前まさか高専のっ…！」
「ありゃ、私のこと知ってるんだ？＿＿なら話が早いね」
一瞬で蹴散らされた自らの式神、血濡れの猪に刺さった柱の上に立つ人物を順に見回した少年は、見覚えのある服装と術式に戦慄した。
少年の反応を見たAは目を細めてニヤリと笑った。
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コロッケ - 本当に好き！主人公の性格とかも面白いしヒーローと呪術師の価値観の違いも上手く書かれてて最高です！是非更新宜しくお願いします！ (11月17日 2時) (
レス) @page17 id: 0002858abd (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 更新されててびっくりしました！これからも更新がんばってください！応援してます (10月19日 20時) (レス) @page16 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - 占ツクにこんな文章のしっかりしてる最高の作品があったとは。もう何回読み返したかわからない。更新お待ちしてます大好きです (8月30日 18時) (レス) id: b3cc1c8641 (このIDを非表示/違反報告)
わらび - 投稿ありがとうございます！オリ主ちゃんや、ストーリーが好みすぎて何度も繰り返し読んでます！これからも応援してます！ (8月21日 21時) (レス) @page15 id: 852819b8c2 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴリラ - ほんまに好きです最新まってます (8月15日 23時) (レス) @page14 id: fa8371b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2022年8月29日 22時
