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言葉1つ1つを汲みとり、自らに言い聞かせるようにして話す声だけが室内に響く。
今はただ耐える。従順に見せかけ、時が来たら牙を向けて容赦なく噛み殺す。
遠回しにそう宣言するAの科白に、切先が向けられていない筈の此方まで慄然とする。
慈悲の欠片さえない世界に住む彼らの異様な強さを十二分に理解しているからこそ、余計に恐ろしく思えた。
『長く話すのも疲れるー！』と一転してトーンの上がった声で一言二言告げ、Aとの通話は終了した。
通信の切断を知らせる音が鳴った瞬間、その場にいた皆が脱力する。
同じ場所にいるようで、180度異なる空間で息をする彼らとの会話はひどく疲れる。呪術師について明確に分かった事はたったそれだけ。
単純に見えるその中身は無秩序に絡み付き、固結ばれていて、解く手立てさえ見当もつかないのだ。
(それでもきっと、分かり合える日が来る。そう思うのは間違いなのだろうか……)
呪術界にとって毒だと評されたオールマイトは、心中でそっと独り言ちた。
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「＿＿＿＿＿＿＿ヒーローを目指す諸君らに、安息の日々は訪れない」
無慈悲で不穏な断言と共にスタートを切った合宿初日。
引き締まった表情で話を聞いていたA組だが、相澤の話が終わった途端、目を輝かせて燥ぎ出す。
そんな生徒たちを一瞥した相澤は早めにバスに乗り込むよう促し、先に歩いて行った。
途中B組と合流しつつ、皆が話しながらその後に乗り込んでいく。
「＿＿＿＿＿＿ふぅ、セーフかな？」
「どう見たってアウトに決まってるだろ。集合時間はとっくに過ぎてる」
「まぁまぁ、そう怒らないでよ相澤さん。これでも急いだんだから」
最後の1人が着席した直後。
扉に片手を置き、曇った空色の髪を振り乱したAがバスのステップに立っていた。
期末試験以来の顔合わせに、誰もが声を掛け手を振る。
それに笑って答えながら乗り込むAは雄英の制服を身に纏っていた。
「おー月慕！怪我はもう大丈夫なのか？」
「月慕ちゃん久しぶりー！」
「久しぶりだね。あれから何日も経ったんだ、流石に完治したよ」
「でも目の下に隈ができているわ」
「あ、ホントだ。まだ休んでた方がいいんじゃ……」
「合宿で動けない分、任務を詰め込んでたんだ。隈がその証拠。ついさっきまで掛かったけど、これで君たちの方に集中できる」
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コロッケ - 本当に好き！主人公の性格とかも面白いしヒーローと呪術師の価値観の違いも上手く書かれてて最高です！是非更新宜しくお願いします！ (11月17日 2時) (
レス) @page17 id: 0002858abd (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - 更新されててびっくりしました！これからも更新がんばってください！応援してます (10月19日 20時) (レス) @page16 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - 占ツクにこんな文章のしっかりしてる最高の作品があったとは。もう何回読み返したかわからない。更新お待ちしてます大好きです (8月30日 18時) (レス) id: b3cc1c8641 (このIDを非表示/違反報告)
わらび - 投稿ありがとうございます！オリ主ちゃんや、ストーリーが好みすぎて何度も繰り返し読んでます！これからも応援してます！ (8月21日 21時) (レス) @page15 id: 852819b8c2 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのゴリラ - ほんまに好きです最新まってます (8月15日 23時) (レス) @page14 id: fa8371b6ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2022年8月29日 22時
