ノーマル人間が魔界へ行くと…５【魔入間】

３．ジャズ視点 ページ22

「入間が？」

「はい、カルエゴ先生を連れてこいって」

「フンッもう音をあげたか
なら自分で来い」

「あ、待ってるのはAちゃんみたいですよ」


おっ
顔色変わった

マジで反応違うじゃねーの


「誰だろうが同じだ」

「いやー人気(ひとけ)がない方が都合がいいらしいですよ
カルエゴ先生的にも」

「……」


おい、まさか本気でAちゃん狙いなワケじゃねーよな？

教師のくせしてよー


「フン、厄介な！」


ほんと、厄介なこと言うよなぁ…



「使い魔の話で気を逸らす
その隙に盗れ」

「なるほどねー」

「呼び出す時はAの名を使え」

「何でだよ」

「何？分かってねーの？
カルエゴ卿はAを贔屓してんだよ
鈍いぜジャズ」


嘘だろ…！？


「まー俺は近くに居るから気付いたけどな
厳粛な教師が、見てんだよいつも、Aを

さっきもAのいやらしい声で興奮してただろ
俺がちょっかい出したら、あのザマだ」


親指をAちゃんが呼び出されて行った方に向けた


「おーA！
作戦会議中だ、こっち来い！

Aも協力してもらうぜ」

「何を？」

「ジャズがカルエゴ卿の私物を盗むんだよ」

「えっ
私そういうのはちょっと…
あ、ジャズ君のこと否定する訳じゃ全然ないんだけどね」


分かってる

分かってたよAちゃんッ

俺のこの家系能力の所為でドン引いてるって！


「気を引くだけだって」

「何もできないよ？私」

「Aも好きだろ？」

「ええっ！？」


え"ッ！？

Aちゃんもカルエゴ先生を好きなのかよ！？


「エギーちゃん」

「え…エギーちゃんね…
うん、可愛いよね」


使い魔かよ
ビビらせんなよ


「Aが居た方が説得力あるだろ」

「う…うん、分かった
ジャズ君、頑張ってね」


Aちゃんの為にも

いや、Aちゃんの為に盗(や)ってやるぜ



「A…用件は何だ
何故、入間が居る」

「バレたかー」

「用があるのは入間君で…」


使い魔センセーの足跡で気を引く入間君


「私はエギーちゃんが見たくてっ」


頑張ってんなーAちゃん

俺も応えなきゃな――…



そして無事に盗った手帳を開いたら

Aちゃんのレアな写真が挟んであった。

おいおいマジかよッ

カルエゴ先生、ホントにAちゃんを…

絶対Aちゃんに教えてやんねーッ！！

ウチは完全実力主義

ライバルが大人だろうが、盗ったもん勝ちなんだよ

覚悟しといてくれよAちゃん

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