# 119 ページ19
.
最寄り駅近くのショッピングモールのフードコート。
急遽集まったのは来月行く旅行の最終日程調整のためで、あったかいうどんをちゅるちゅる啜っていると最近彼氏が出来た友達がうっとりした顔してデートした時のことを話して聞かせてくれる。早くも本来の目的から脱線してるけど私これ食べたら午後からバイト行かなきゃなんだけどな。
「でね、映画見た後に手を繋いで公園を歩いてね、それで彼がこう屈んで来て…」
「きゃーっ！不意打ちでチューされたの？羨ましい〜！」
「やだーこのリア充め！」
『ッゴホッゴホッ……』
「えっ、A大丈夫？」
「ちょ、慌てすぎだよ、ゆっくり食べないと」
いや、普通にゆっくり食べてたけどね、不意のチュー話に驚いちゃったんだよ。あーしぬかと思った。口元を拭いてへらっと笑いながらコップの水をごくっと飲んだ。
『ごめん…あんま時間ないからちょっと慌てちゃった』
「あーそうだった、Aバイトだもんね、旅行の話を先にしなきゃ、日程だけどさ…」
それでようやくみんな本来の話に戻ったけど、内心ドキドキがおさまんなかった。みんなはこれから旅行に着ていく服を見に行くらしい。それで明日以降は地元で短期のバイトをするらしく、旅行代を稼ぐんだと言っていた。だから友達と会うのもしばらくおあずけ。
友達の話を聞いてて思ったのは、キスって普通付き合った恋人同士がするものだってこと。それくらい私でも分かるけどさ、そうじゃない場合はどういう状況なのだろう。どう解釈したらいいのか分からなくて、何度も昨夜の出来事がフラッシュバックしては目の前がくらくらする。ただでさえ体調悪いのに昨日はあれから一睡も出来なかったし。
〜酔ったせいだから…〜
酔ってたら付き合ってなくてもキスしていいの？寂しさを埋める為なら誰でもいいの？それにさ、どんな顔して次会えばいいの？必死に諦めようとしてる私の気持ちなんて知らないくせにあんなことして。私、怒ってるんだからね？それと同じくらい今にも泣きそうなのに。オセフンのバカ。
最低最悪憂鬱な気持ちで着替えてスタッフルームを出ると通路の先のカウンターにもたれて暇そうにしているオセフンを発見して心臓の鼓動がいきなり早くなった。心の準備も出来てないのにいきなり会ってしまって視線を合わせないようにすたすたとレジの方に向かう。今日に限ってジョンインは休みだし社員さんもこっちにいないし。あーあ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1288人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん(プロフ) - セフンのツンより、ヒロインちゃんの塩笑笑 (2019年12月26日 20時) (
レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
norita(プロフ) - あまいくりーむさん» わーん！そう言ってもらえて安心しました〜。本当にただのほのぼのでしたけど最後までかけて満足でした。感想ありがとうございました〜(o^^o) (2019年4月12日 20時) (レス) id: aabcc6a11b (このIDを非表示/違反報告)
あまいくりーむ(プロフ) - 2人のアフターストーリーすごく嬉しくて癒されました！心温かく幸せです！ありがとうございました(^^) (2019年4月11日 21時) (レス) id: 9358b5978b (このIDを非表示/違反報告)
norita(プロフ) - ゆいなさん» 最高ですか？うわん嬉しいですT^Tこれからもゆっくりとですが頑張りますね！ありがとうございました(о´∀`о) (2019年3月24日 12時) (レス) id: aabcc6a11b (このIDを非表示/違反報告)
norita(プロフ) - きな子さん» うわぁ〜！最上級の褒め言葉頂けて幸せな気持ちになりました！！お返事遅くなってしまいすみませんでした！ (2019年3月24日 12時) (レス) id: aabcc6a11b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
