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「はい、セフンがこれにしてって言うから」
『美味しそう、頂きます』
「うん、ごゆっくり」
ふーふー冷ましてスプーンを口に運ぶ。オセフンが私のために頼んでくれたリゾットは今まで食べたどの料理より美味しかった。泣きそうになりながらふーふーして大事に味わって食べるリゾット。この前はジェヒとの事を勘違いして嫌味を言ってたくせにこんなどうしようもない私に結局優しくしてくれるオセフンは一体どんな気持ちでいるんだろう。
オセフンに抱きついて好きって言いたいくらい気持ちが溢れそうなのを必死で我慢して笑顔を作るのはとても苦しいけど、それも今我慢すればいつかは楽になるって思う。もうすぐ彼は4回生で就活だってそろそろ始めなきゃいけないだろうからここのバイトも辞めるだろうし、卒業したらお隣さんでもなくなってしまう。いつも身近に感じていた存在がいなくなるのって、きっと想像できないくらい寂しいんだろうなぁ…。
(さみしいな…)
考えていたらなんだかどんどん切なくなってきた。食べる手が止まってて再びスプーンを口に運ぶ。いつも元気な私がこんな気持ちになるなんて、オセフンに出会わなければ知らなかった感情で。心に線引きをするのってなんだか難しい。器用に出来る人がいたら教えて欲しい。よく顔を合わせる間柄だから。出会う前の気持ちに戻りたいけど気付けば色んな想いを胸に溜め込みすぎてどんな感情だったか忘れちゃったな。
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ソファで少しうたた寝してからフロアーに戻ると見慣れた後ろ頭を発見。振り返って私を目ざとく見つけたその人が目尻を下げて笑い、尻尾を振って私の方へかけて来た。
「やっほぉ〜Aちゅわ〜ん♪久しぶり〜!」
『うわ、い、いらっしゃいませ…』
週末が近くなると無駄に元気になるビョンベッキョン登場。
突撃してくるビョンベッキョンを体を反らせて軽く交わしながら顔に笑顔を貼り付ける。
「今日も可愛いねぇ?」
『うわ、ビョンさんに褒められるなんて…熱でもあるの?』
「ねーわ、俺様はすこぶる元気…ん?、ちょっと顔浮腫んでないか?」
『あぁ、さっき休憩中にうたた寝したからかな』
そう言って自分の頰をピタって触って確かめる。まぁ触ったくらいじゃ私には全然わからないけど。
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りん(プロフ) - セフンのツンより、ヒロインちゃんの塩笑笑 (2019年12月26日 20時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
norita(プロフ) - あまいくりーむさん» わーん!そう言ってもらえて安心しました〜。本当にただのほのぼのでしたけど最後までかけて満足でした。感想ありがとうございました〜(o^^o) (2019年4月12日 20時) (レス) id: aabcc6a11b (このIDを非表示/違反報告)
あまいくりーむ(プロフ) - 2人のアフターストーリーすごく嬉しくて癒されました!心温かく幸せです!ありがとうございました(^^) (2019年4月11日 21時) (レス) id: 9358b5978b (このIDを非表示/違反報告)
norita(プロフ) - ゆいなさん» 最高ですか?うわん嬉しいですT^Tこれからもゆっくりとですが頑張りますね!ありがとうございました(о´∀`о) (2019年3月24日 12時) (レス) id: aabcc6a11b (このIDを非表示/違反報告)
norita(プロフ) - きな子さん» うわぁ〜!最上級の褒め言葉頂けて幸せな気持ちになりました!!お返事遅くなってしまいすみませんでした! (2019年3月24日 12時) (レス) id: aabcc6a11b (このIDを非表示/違反報告)
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