カラフル＊短編集 13 (ページ13)

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『ジュンミョン、片付け終わった？』

「ほぼ終わった、あー！疲れたぁ…」

『お疲れ様』

うーんと伸びをしてあくびをしながらトイレに行ったからとりあえず洗濯物を置いてキッチンへと行き、テーブルの上に置いてあったチャーハンのお皿を電子レンジに入れていると戻ってきたジュンミョン。洗った手がまだ濡れているのか着ているグレーのスウェットに手を擦りつけててその子供のような仕草にギャップを感じて笑ってしまう。

「何？」

『ううん、あ、ギョンスが作ったチャーハン食べるでしょ？』

「今から食べると夜ご飯が…え、いつギョンスが来てたの？」

『お昼前かな、作って食べてすぐ帰ったけど』

「そうか、久しぶりに話したかったよ」

『それどころじゃなかったでしょ』

「確かに。それよりごめん、買い物行こうって言ってたの遅くなったけどどうする？」

『買い物はもう行ってきたよ』

「えー、そうかぁ……なんかごめんな…」

申し訳なさそうに眉を下げてそう言うとリビングに移動して力なくソファーに倒れ込んだジュンミョン。はぁ～と大きな溜息まで聞こえる。ソファーの下に座って、置いていた洗濯物に手を伸ばしながらうつ伏せたまま動かない彼の後ろ頭に声をかける。

『ジュンミョン、ギョンス、転勤だって』

「え、どこへ？」

『○○市だって』

「マジで？」

ガバッと身体を起こしてこっちを見てくるジュンミョンが驚くのも無理はない。私だって驚いたもの。もうひとつの方はエリちゃんにきちんとプロポーズの返事をもらうまでは内緒にしておこう。

「確かに○○には大きな研究施設があると以前ギョンスが言ってたな」

『よくギョンスの研究内容の話してたもんね』

「うん、とても興味深い研究だし。…そうか、あんまり会えなくなっちゃうな」

『うん…』

「大丈夫か？」

『………』

改めて聞かれるとうーん、ってなっちゃうな。一人暮らしの私を時々気遣って様子を見に来てくれてたし、私達は歳が近いわりに仲のいい姉弟だったから寂しいなぁって思うのは家族だし自然な事だと思う。

「俺がいるだろ～」

そんな事を思ってたら頭の上に手が乗った。それからゆっくり撫でられて、ジュンミョンの方を見ると複雑な表情をしてたからちょっと体の力が抜けた。

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