降谷零の公式LIMEのフェア終了後にLIME送ったら通報された

10−弱み ページ10

そのLIMEに気づいたのは休憩中のことだった。

誰にもバレないように、こっそりと降谷零のスマホを確認すると、例のストーカーからLIMEが来ていた。

「降谷さん！お仕事頑張ってくださいね！安室さんもバーボンさんも全部ひっくるめて大好きです！」

この人、安室もバーボンも知っているのか。

これは…弱みを握られたな。

相手に何か不都合があったとき、本当の事をバラすとかなんとか言って脅される可能性がある。

僕とした事が、不注意だった。

しかし、全ての顔においてそうだが、後をつけられた覚えはない。

もしつけられていたと気がついてもその場でまいていたはずだ。


僕がただの一般人相手に気がつかないはずがない。

のだが、安室もバーボンも知っているということはそれなりの追跡技術があるということだろう。

つまりこのhe＿ragiという人物はただの一般人というわけではなさそうだ。


「(まずいことになった…)」

これ早急に調べる必要がありそうだ。

風見にでも頼んでおくか。


とりあえず、通報しておこう。









通報してからはあのようなLIMEは来なくなった。

どうやら風見が調べたところ、わかったのは東京都に住んでいる2月25日生まれの柊Aということだけ。

それ以上はなにも出てこなかったようだ。

まず、東京都という地域は聞いた事がない。

というか、日本には東京都という地名がない。



この謎を解くための鍵が少なすぎる。

柊、A

敵なのか、敵ではないのか。

もっと調べる必要がありそうだ。









…というのが柊Aが疑われるようになった経緯だ。


なので柊という苗字、Aという名前にはしっかりと目をつけておかないといけないのだ。


いくら常連さんの友達でも、Aという名前である限り、疑わなければならない。



すいませーん、と常連さんの聞き慣れた声が聞こえた。


注文を取りに行くと普通に注文をされ、Aという人物から不審な動きは見られなかった。


注文を聞き終わり、バックヤードへ戻ると例の2人がまた喋り始めた。

「やばない！？ちょーイケメンじゃない！？A、タイプでしょ。」


ナルシストではないが、僕がイケメンなのは知っている。

幼少期は容姿のことでよく近所のガキ大将にいじめられたが、年齢を重ねていくうちに容姿について褒められるようになった。

最初はこんなに目立つ容姿なんて欲しくないと思っていたが黒の組織に潜入する際にとても役に立っている。

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