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29-事件 ページ32

米花町は日本で1番治安が悪い。
私はその事実に身をもって知ることになる。

降谷性になって数週間、この苗字にも慣れてきた頃の話だ。


もしかすると米花町をぶらぶら歩いていたらコナンの主要キャラにばったり会えるかもしれない、と思至ったのでお散歩ついでに米花町を散策をしていた。

少し歩いて、これはもしや聖地巡礼なのではないかということに気がつく。

それに気がついた瞬間、なにかがせり上がってきてまるで宝探しをしている子供のように足を速めた。








午前だけぷらぷらしてきたが、残念ながら主要キャラには会えずとりあえずその辺の喫茶店でランチでも取ろうと近くの店に入った。

いや、入ってしまった。





メニュー表を開いて目に入ってきたオムライスを頼む。


トイレを済ませようとして席を立ったが、個室からなかなか出てこない人がいたらしく、トイレは諦めた。


しばらくしてオムライスが私のテーブルに運ばれる。

「いただきます」

と心の中で唱えてから一口頬張るとふわふわな卵が甘みのあるケチャップライスの昔懐かしいような味がした。


あまりの美味しさに無我夢中で食べ進めているとどこからか女の悲鳴が聞こえた。


それが、この世界が作り物ではないことを改めて痛感した事件の始まりの音だった。









「それで、やっぱり米花町って事件多いんだなって感じました。」


降谷さんと夕飯中、(降谷さんは時間があればしっかり家に帰ってきてくれる。)本日巻き込まれた事件について報告した。

「君は、大丈夫だったのか?」

「いや、心がだいじょばないです。初めて人が亡くなる事件に巻き込まれて、本当に、なんていうか…」


そう、もうお察しの人もいるかもしれないが、なかなかトイレから出てこないと思っていたらトイレで人が亡くなっていたのだ。



「酷だったな。誰だって、人が亡くなるのは、何回現場を体験したって慣れないものなんだよ。」

「降谷さんもですか??」

「意外だな。僕はそんなに平気そうに見えるかい?」

「はい、私が知っている限りの降谷さんは。」

「そうか。平気そうに見えてるのか、僕は。」

そう、なんとも言えない微妙な表情の降谷さんはどことなく悲しそうだった。

こうして実際に接してみると降谷さんは本当に暖かい人間なんだなと心の底から思う。



アニメのキャラクターでもなんでもない、「降谷零」という人間に出会えることができて本当に良かった。

30ーお互いの理解→←28ー柊さん



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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なし子(プロフ) - akumaさん» コメントありがとうございます!気に入って頂けて何よりです(^-^)これからもよろしくお願いします!! (2019年2月18日 22時) (レス) id: b16c87546b (このIDを非表示/違反報告)
akuma(プロフ) - 新しい話ありがとうございます!18話すごい好きです。面白くて繰り返し読んでます!これからもお願いします (2019年2月12日 21時) (レス) id: f48d4cbf1b (このIDを非表示/違反報告)
なし子(プロフ) - 朝凪来夢さん» コメントありがとうございます!朝凪来夢さんのことすげえ好きなんですけど() (2019年2月6日 20時) (レス) id: b16c87546b (このIDを非表示/違反報告)
朝凪来夢(プロフ) - 私の凡人アカデミアすげえ好きなんですけど() (2019年2月3日 15時) (レス) id: babb22cfda (このIDを非表示/違反報告)
なし子(プロフ) - 颯さん» コメントありがとうございます!頑張ります!!! (2019年2月3日 14時) (レス) id: b16c87546b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ポトハッハ(なし子) | 作成日時:2019年1月6日 17時

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