私は虚偽と献身

あいつなりの考え ページ29

エスタロッサside


貴「それより、名前は…」


ｴｽ「あぁそうだな。俺は、エスタロッサだ。」


俺はそう言うと、さっきから退いてほしいという顔で見てくるAの上から退いた。


そして、Aはまた何かを考え始めた。

しかし、本当に記憶がないんだな。









メリオダスから消されたのか？



貴「やっぱり、睡眠期の影響か…」

睡眠期？

ｴｽ「何だ？その睡眠期って？」

貴「別に話しても特にならないよ？」



それが、特になるんだよな〜。

ｴｽ「んなことねぇよ。教えてくれ。」

そう言うと、Aは話しだした。




　
貴「15年間眠ったあとには、一部の記憶を失くす。」

記憶を…失くす…

ｴｽ「だから、俺のことを忘れてたのか…」

貴「多分そういうこと。団長が言うには、私は十戒っていう人たちの記憶を失くしているみたい。」




マジか…

十戒全員の記憶がないのか…





貴「ねぇ、エスタロッサは十戒の一人なの？」


Aは恐る恐る聞いてくる。

たぶん、メリオダスから十戒は敵って聞いたんだろうな。


何か、警戒心剥き出しのAが面白くなってきて、


ｴｽ「もし、俺が十戒だと言ったら？」


逆に俺が聞き返してしまった。


予想外の言葉に、Aの警戒心はなくなった。

こいつ、本当にわかりやすいな〜。




貴「私は、エスタロッサが十戒だとは思わない。」

俺はそんなAの言葉に目を見開く。


貴「私の勝手な想像だけど、十戒の人たちは私達の敵だから、敵である私をとっくに殺してると思うし、この空間だって壊していると思うんだ。だけど、エスタロッサは私を殺さないし、ここの木々や花々を大切にしてくれてる。」


貴「だから、エスタロッサが十戒だとは思わない。優しいもん。」

Aはそう言うと、微笑む。



AもAなりに考えてるんだな。

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