魔術が67回 ページ17
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『まず一つ目は、俺の個性のリスクについてだ』
「リスク…？」
『嗚呼、家族以外には師匠しか知らない物だ
俺の個性は、使いすぎると倒れる
運動のし過ぎで倒れるのと、似たようなものだ』
うんうんと、頷く母さん
少しだけ話の先が読めたのか、俯く父さん
何も言わずに只々、見守ってくれる師匠
覚悟は、とっくに出来ている
『そして、使い過ぎを越え、魔力を制御できなくなった時、魔力が暴走して魔神化する』
これは秘匿中の秘匿
決して誰にも話すことを許されない
言わば禁忌
「魔神化……？なんだそれは」
『“魔力とは、即ち力の塊”
“制御不能な力の塊、それは時として自身を守る盾となり矛となる”
“だが、それは身を滅ぼす程の力をも秘めている”
“我らに魔力を完全に制御することは不可能”
“魔力とは神秘、魔力とは神をも超越する諸刃の剣”
“我ら魔術師は、その力に翻弄されながらも”
“その力に裏切られぬよう、日々死ぬやも知れぬ時を過ごすことは避けられぬ”
“魔力に裏切られ、翻弄され、墜ちた者の末路は”
“魔神化、即ち死のみ”
“それは魔術師の性であり、魔術師の理である”
“何人にも阻む術なし”
……これは俺たち魔術師が魔術を習得する前に教えられる、言わば警告だ』
淡々と話を進め、気がつけば相澤は、只々こちらの話を聞くだけに徹していた
『話が脱線したな、俺が言いたいのは
俺の……否、俺たちの個性は無理をし過ぎると暴走して
お前たちの敵になるやもしれない、ということだ
敵になった場合、それを止められる手段はこの世で一つ』
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『殺すことだけなんだ』
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作者名：NO丸 | 作成日時：2019年4月16日 23時
