How wonderful life is……(side N) ページ48
前列の1番左端、淡いブルーのドレスに身を包み、溌剌と歌うみおがいる。
見ていればわかる。
みおが心から歌を楽しんでいること。
歌を、音楽を愛していること。
彼女の心が客席の最後列に座る俺までまっすぐに届く。
一緒に歌いたくなる。
みおが歌を続けてくれてよかった。
守屋先生に託してよかった。
先生が率いるこの混声合唱団は、ミュージカル音楽を得意としていて、今回の演奏会もミュージカルの名曲を揃えていた。
“民衆の歌”
“ Another Day of Sun”
“You can’t stop the beat”
“エーデルワイス”
“サウンド オブ ミュージック”
“ Beauty and Beast”
“This is me”
アマチュアの合唱団とは思えないほどの完成度の高さで、本編最後の曲、“This is me”までずっと、俺は感動しっぱなしだった。
この合唱団の実力、表現力が素晴らしいことはもちろんだけど、何より、ステージ上でみおが楽しそうに歌う姿をこの目で見られたことが嬉しくて、胸が熱くなった。
拍手喝采のなか幕が下りて、アンコールが響き渡る客席。
再び幕が上がり、静寂に。
ステージには団員と守屋先生。
『アンコールをありがとうございます。皆様、今日はご来場誠にありがとうございました。最後にこの歌を贈ります。会場の皆様も一緒に歌いましょう』
守屋先生の挨拶の後、驚いたことに1番左端にいたみおが、団員の列より数歩前へ歩み出てきた。
「まさか、ソロで……？」
そのまさか。
みおがにこりと微笑み、次の瞬間、伸びやかなソプラノが会場に響き渡る。
「アカペラ……。“Your Song”」
そう。
みおはアカペラで、あの“Your Song”のサビの最後のワンフレーズを歌い上げた。
“あなたがここにいてくれるだけで、私の人生はこんなにも素晴らしい”
短いフレーズだったけど、大好きな心地良い響きに包まれる。
そして俺は歌詞の通り幸福で満たされ、願うことは今も変わらない。
“1年後も、俺はみおとこうしていたい。3年後もその先も、俺の隣で笑ってほしい。一緒に歌ってほしい”
すぐ隣にみおがいて、笑みを交わし、手を繋いでいる。
そんな幸せを願うんだ。
「みお、ありがとう」
ピアノの伴奏が加わり、みおが団員の列に戻ると、会場からはみおを讃える拍手。
そしてAメロへ。
合唱用にアレンジされたYour Songを会場のお客さんも一緒に歌う。
皆の心が音楽で、歌で繋がる素晴らしいひとときだった。
……while you're in the world→←ギリギリの到着(side N)
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さら(プロフ) - chr916さん» お返事遅くなりました。何度も読み返してくださって嬉しいです。続きを更新しました。コメントありがとうございました。(^^) (2022年10月11日 4時) (
レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» ご無沙汰しています。続きを少し更新しました。いつも感想をありがとうございます。(^^) (2022年10月11日 4時) (レス) @page49 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
chr916(プロフ) - 何度も読み返すくらい大好きです！続きが早く読みたいです🙇♀️ (2022年10月2日 19時) (レス) id: 2b8ccb9b49 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao - 更新ありがとうございます！胸キュン❤️いいなぁ〰と想像膨らませて読ませて頂きました。続き早く読みたいー待ってますから〜 (2022年7月16日 1時) (レス) @page45 id: 80a471aa5a (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^)今後、2人はどうなるのでしょうか。いつも読んでくださって感謝です。 (2022年7月12日 10時) (レス) @page43 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さら | 作成日時：2021年5月15日 11時
