その心の中を(side N) ページ43
時間を確認すると午前1時過ぎ。
このままじゃ、みおも俺も体調崩す。
「(みお……、みお、起きて？)」
返事はない。
規則正しい寝息が聞こえてくるだけ。
ゆっくりと左肩をみおの頭から離そうとすると、無意識なのか、みおが頬を腕に擦り寄せてくる。
おまけに『ん……、』なんて吐息混じりの声。
ココロ擽られる仕草に俺の心臓がもたない。
自らの手で触れたくてたまらなくなる。
やばい、
やばい、
離れよう。
ゆーっくり、そーっと、みおの体をソファの背もたれに預ける。
それでも目を覚さないみお。
よほど飲んだのか、疲れてるのか。
そんなこと思いながらソファから立ち上がり、みおの寝室へ向かい扉を開けた。
女性の寝室に勝手に入ることに抵抗はあるけど、仕方ない。
ごめん。
余計なものは見ない見ない。
ただみおをここへ運ぶだけ。
ソファへ戻りみおを抱きかかえた。
腰が心配だったけど、大丈夫そうだ。
失礼します、と心で呟き寝室へ入り、そっとみおをベッドに下ろして、傍に座った。
『んん……』
寝息の間に漏れる声にどきっとしたけど、みおは変わらず無防備な寝顔のまま。
「(……みお、)」
昨日までは、みおの寝顔を見ることなんてもう無いと思っていた。
みおは豊田さんと結婚すると思ってたから。
それが今、こうしてることが不思議で。
さっき守やんに聞いたことが本当なら、俺は……
ふと、視界の隅に入った見覚えのあるもの。
「……」
ベッドサイドのチェストに置かれたそれへ手を伸ばし、手に取って確かめる。
ゴールドのスノーパウダーがキラキラと揺らめき、小さな幻想の世界を見せてくれるもの。
昔、俺がみおに贈ったもの。
スノードーム、まだ持ってくれてたんだ……
どうして？って聞いたら、みおは何て答えるだろうか。
どうして俺の隣で寝てたの？って聞いたら、見せてくれるだろうか。
その心の中を。
そっと、みおの薄桃色の頬に触れる。
「みお……、今度こそ、大事にしたい。大事にさせて？」
伝わるはずのない想いを言葉にすれば、じわりと視界が滲んだ。
身勝手で理不尽にみおを傷つけた俺に、そんなチャンスをくれるだろうか。
もう一度、俺の側にいてくれるだろうか。
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さら(プロフ) - chr916さん» お返事遅くなりました。何度も読み返してくださって嬉しいです。続きを更新しました。コメントありがとうございました。(^^) (2022年10月11日 4時) (
レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» ご無沙汰しています。続きを少し更新しました。いつも感想をありがとうございます。(^^) (2022年10月11日 4時) (レス) @page49 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
chr916(プロフ) - 何度も読み返すくらい大好きです！続きが早く読みたいです🙇♀️ (2022年10月2日 19時) (レス) id: 2b8ccb9b49 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao - 更新ありがとうございます！胸キュン❤️いいなぁ〰と想像膨らませて読ませて頂きました。続き早く読みたいー待ってますから〜 (2022年7月16日 1時) (レス) @page45 id: 80a471aa5a (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^)今後、2人はどうなるのでしょうか。いつも読んでくださって感謝です。 (2022年7月12日 10時) (レス) @page43 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さら | 作成日時：2021年5月15日 11時
