滑り落ちる鍵 ページ39
『えー誰だろ。みおさん教えてくださいよ』
「奈緒の言うことはデタラメだから信じないで」
『名前は‘タカヒロ’だよね、みお』
「⁉︎ 奈緒っ！いい加減もうやめて」
私が声のトーンを下げ本気で言うと、奈緒は『ごめん、調子に乗った』と静かになった。
一方、後輩2人は、
『夏姫、タカヒロって名前の社員うちにいる？ 全員の名前知らないけどさー』
『どうだろう？ 社員じゃなくて役員じゃない？ あ、池田常務って確かタカヒロって名前だったような』
『えっ、でも池田常務は結婚してるし…え、ま、まさか、みおさん池田常務と不倫…」
「もうっ！ なわけないでしょ！ はいっ、もうこの話終わり！！！ 飲むよっ」
強制的に会話を終了させて、飲んで食べることに集中した。
そして、
『わーい、みおさんちお邪魔するの久々〜』
「ふふふっ、そうだね〜。紗和ちゃん来るの久々〜」
今はほろ酔い気分で、紗和ちゃんと夜道をうちのマンションへ向かって歩いてる。
奈緒は家族が待ってるからと帰宅し、夏姫ちゃんは素敵な男性が迎えに来た。
私と紗和ちゃんはもうちょっと飲みたい、ということで、うちで飲むことに。
『みおさん大丈夫ー？ 足フラついてない？』
「うーん、ちょっとだけね。でも大丈夫だよ〜」
『本当かなぁ。でも酔い潰れてもいっか。みおさんちだし』
「ふふふ、そうだね〜」
ふわふわとした足取りでエントランスを抜けてエレベーターへ。
6階で降りて、歩きながら部屋の鍵を鞄から取り出していると、通路を曲がったところで『あれ、みおさんちの前に誰かいるー』と紗和ちゃんが呟いた。
「え〜誰かなぁ。あれ、鍵が見つからないよ〜」
立ち止まって鞄の中の鍵を探しながら答えると、今度は紗和ちゃんの声のトーンが少し上がる。
『なんか、なんかなんか、雰囲気がイケメンだよ〜、みおさん』
「んー？ 違う部屋と間違えてんじゃない？ あ、鍵あったぁ」
ようやく鍵を取り出して目線を前方へ移した時、手から鍵が滑り落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 224人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さら(プロフ) - chr916さん» お返事遅くなりました。何度も読み返してくださって嬉しいです。続きを更新しました。コメントありがとうございました。(^^) (2022年10月11日 4時) (
レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» ご無沙汰しています。続きを少し更新しました。いつも感想をありがとうございます。(^^) (2022年10月11日 4時) (レス) @page49 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
chr916(プロフ) - 何度も読み返すくらい大好きです！続きが早く読みたいです🙇♀️ (2022年10月2日 19時) (レス) id: 2b8ccb9b49 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao - 更新ありがとうございます！胸キュン❤️いいなぁ〰と想像膨らませて読ませて頂きました。続き早く読みたいー待ってますから〜 (2022年7月16日 1時) (レス) @page45 id: 80a471aa5a (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^)今後、2人はどうなるのでしょうか。いつも読んでくださって感謝です。 (2022年7月12日 10時) (レス) @page43 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さら | 作成日時：2021年5月15日 11時
