演奏会の誘い(side N) ページ35
それから1週間とちょっと経過した5月中旬、俺は相変わらずスタジオにこもって曲づくりと打ち合わせの毎日。
喉は回復に向かってはいたものの、囁き声での生活は続いていた。
『西島さん、お客さんですよ』
江田の声とともにスタジオに現れたのは、
「！！(守やん！)」
『頑張ってんなぁ、隆弘』
‘守やん’こと守屋先生。
昔ボイトレでお世話になって、今も俺は兄のように慕ってる。
ここ半年は会ってなかった。
久々でめちゃくちゃ嬉しい。
『東京1日目観たよ。良いライブだった。本当、隆弘は僕の自慢の教え子』
「(ありがとう)」
『聞いたよ、声帯痛めたって？ 無理し過ぎだよ。僕はそんな無茶を教えた覚えないんだけどな』
「(すみません)」
『ははっ冗談。しっかり治してまた良い声聴かせて。はい、これ差し入れ』
「(ありがと)」
守やんから差し入れの飲み物を受け取り江田に渡し、2人で静かな場所へ移動した。
『実は他にも隆弘に渡したいものがあって……』
守やんから受け取ったのはA4サイズの1枚のリーフレット。
守やんが指導してる合唱団の定期演奏会の案内だった。
『来週の日曜なんだよ。もし時間取れたら観にきて』
守やんは微笑み、俺を伺う。
俺は思わず地声を発していた。
「…………みおは？」
『みおちゃんももちろん出るよ。だから観にきてほしいんだよ』
「……」
『みおちゃんは歌を楽しんでる。良い顔で歌うようになったよ。安心しろ』
「(良かった……)」
安堵の言葉が漏れて、守やんに頭をポンポンと2度撫でられた。
俺の想いをわかってくれてることが伝わってくる。
俺と別れてからみおが音楽に触れていないと聞いた時は、胸がえぐられるようだった。
彼女から大好きな音楽まで奪ってしまったと思った。
でも守やんが手を差し伸べてくれた。
『隆弘に言われて、みおちゃんを合唱に誘って良かった』
「……(ありがとう、守やん。時間作って観に行く)」
相変わらずのカスカスの声でそう言えば、守やんが『待ってるよ』とくしゃっと笑った。
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さら(プロフ) - chr916さん» お返事遅くなりました。何度も読み返してくださって嬉しいです。続きを更新しました。コメントありがとうございました。(^^) (2022年10月11日 4時) (
レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» ご無沙汰しています。続きを少し更新しました。いつも感想をありがとうございます。(^^) (2022年10月11日 4時) (レス) @page49 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
chr916(プロフ) - 何度も読み返すくらい大好きです！続きが早く読みたいです🙇♀️ (2022年10月2日 19時) (レス) id: 2b8ccb9b49 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao - 更新ありがとうございます！胸キュン❤️いいなぁ〰と想像膨らませて読ませて頂きました。続き早く読みたいー待ってますから〜 (2022年7月16日 1時) (レス) @page45 id: 80a471aa5a (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - ao.aoさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^)今後、2人はどうなるのでしょうか。いつも読んでくださって感謝です。 (2022年7月12日 10時) (レス) @page43 id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さら | 作成日時：2021年5月15日 11時
