宴の始まり(side N) ページ44
「日高、席交換」
『なんで？』
「いやいやいや、おかしいだろ。みおの隣に座ってるの」
『お前のことだから、さっきまでみおちゃんにぴったりくっついてたんだろ。少しは余裕みせろ』
「そうだけど、納得いかない」
『まぁいいじゃん、ニッシー。座る場所なんてどうでも。ね、みおちゃん』
宇野…絶対楽しんでる。
『は…い。私はどこでも大丈夫です』
「はぁ…みお、あんた俺の彼女になったんでしょ。俺は嫌なの。俺以外の男がみおの隣にいるの」
『うっざー』
日高と宇野の見事なユニゾン。
その間で顔を赤く染めるみお。
『西島君、恥ずかしいんだけど…』
みおは抗議するように俺を見た。
それに少し寂しさを覚える。
「じゃぁこっち来てよ。それで解決する」
『いやぁ、ちょっと無理』
はぁ…
盛大なため息が出る。
恥ずかしいのはわかるけど、2人の間にいたら大変なことになるぞ。
わかったよ。知らないから。
どうなっても。
『はい、もういいから乾杯しよう。ニッシーの恋がとりあえず、うまくいってることにかんぱーい！』
予想外の宴が俺の家のリビングで始まってしまった。
それは宇野からの、まるで芸能リポーターのような質問タイムが始まったことと同じ。
みお、正直に答えなくていいから。
ほら、どんどん突っ込まれる。
『結局ニッシーは、みおちゃんの返事を待てなくなったってこと？ 先週はいつまでも待つって言ってたのに』
「言ったっけ？」
『どうせしょうもない嫉妬でもしたんでしょ。それで焦ってここへ連れてきた感じ？』
さすが宇野。
俺の性格を熟知してる。
いや、感心してる場合じゃないな。
これ以上答えるのはやめよ。
かっこ悪いところをさらけ出すだけだ。
俺は何も答えず、グラスのお茶を飲んだ。
代わりに口を開いたのはみおだった。
「でも、それなら私も同じ。ファンの子と一緒にいるのを見て、すごぉくやきもちをやいたので。西島君をひとりじめしたくなっちゃったんです」
恥ずかしそうに、手にしたグラスを見つめながら言ったみお。
突然心の内側を言葉にしたみおに、俺は思わずお茶を吹きそうになった。
おいみお、そのグラスの中身、酒じゃないよな？
『可愛い〜』
再び、日高と宇野の完璧なユニゾンが響いた。
知ってほしい(side N)→←なんでこうなった(side N)
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さら(プロフ) - 恋葉さん» コメントをありがとうございます。完全自己満な作品に感想をもらえて嬉しいです。その曲知らなかったので聴いてみました。いかようにも解釈できる、想像膨らむ歌詞ですね。好きなシーンを伝えてもらえて最高にハッピーです。読んでくれて感謝です。 (2020年4月24日 3時) (
レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
恋葉 - 楽しませていただいております！！！個人的には7ページのチョコレートの話、Da-iCEのチョコレートシンパシーに似ててすっごい好きです(*´∇｀*) (2020年4月23日 19時) (レス) id: 35a567dc92 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - てんさん» コメントをありがとうございます。楽しみにしてもらえるって嬉しいですね。これからもニッシーの恋の行方を見守って下さい。 (2019年5月9日 1時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしてます！この物語のにっしーが好きすぎます(*´ω｀*) (2019年5月8日 11時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 憂さん» コメントをありがとうございます。とっても励みになります。楽しんでもらえてよかったです。 (2019年4月25日 3時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さら | 作成日時：2019年4月17日 4時
