好き、だけど ページ30
気持ちが通い合う、とてもあったかいキスだった。
西島君のキスは、唇が触れる瞬間は優しくて、触れ合った途端に甘く、熱いキスに変わった。
そして離れる時は、少し切なくて…
まるで、彼そのものの様なキス。
もっと、欲しい。
もう少し、西島君と一緒にいたい。
この心地良い腕に、包まれていたい。
でも…
「西島君、もう、戻ろ?」
『んー…もうちょっと』
西島君が私の首元に顔を埋めて話すから、なんだかくすぐったい。
「ダメだよ。もう行かないと」
『…いい匂い。みお』
……
「やだっ! ちょっと、離してっ」
離れたいのに、離してくれない。
ジタバタともがいてみたけど、全く効果はなくて。
「もうやだぁ、恥ずかしい。西島君のばか」
精一杯、言葉で対抗。
『ぷっ、なんだそのかわいい抵抗』
「もうほんとに戻る…」
今は大事な披露宴の真っ最中だし、よく考えたらここってゲスト用の待合室。
いつ誰が入って来てもおかしくない。
こんな場所でキスして、抱き合ってるのはまずいよ。
今さらだけど。
『んー…』
ぎゅうって、彼の腕に力が込められて、やっと、私は解放された。
『俺、先戻るから。その赤いカオ、元に戻ったらおいで』
私、そんなに赤い顔してるの?
恥ずかし…
『そのカオ、俺以外の奴には見せたくない』
「もう、わかったよ。早く行って」
『ふっ、照れてる。かわい。あと、二次会の後、送るから』
「大丈夫だよ、1人で帰れるから」
『こういう時は “ありがと♡” だろ』
西島君はいつものようにニィっと笑って、披露宴会場へ戻った。
はぁぁ、
キス、
しちゃったよ。
西島君と。
ほんっとに私の理性は機能しなかった。
友達でいようって決めたのに。
好きになっちゃだめって思ってたのに。
好き、西島君のことが。
大好き。
でも、このままこの恋に飛び込んでいいのかわからない。
西島君のことを受け入れていいのかわからないよ。
今ならまだ、引き返せる?
この気持ちを無かったことにできるかな。
こわい。
どんどん西島君に惹かれていく。
もう、つらい恋はしたくない。
あんなに素敵で優しい西島君。
芸能人でもある彼。
いつか別れの時が来ちゃうかもって思ったら、やっぱりこわくて、踏み出す勇気が持てないの。
そんな日が来るくらいなら、友達のままでいたい。
それは私のわがままかな。
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さら(プロフ) - 恋葉さん» コメントをありがとうございます。完全自己満な作品に感想をもらえて嬉しいです。その曲知らなかったので聴いてみました。いかようにも解釈できる、想像膨らむ歌詞ですね。好きなシーンを伝えてもらえて最高にハッピーです。読んでくれて感謝です。 (2020年4月24日 3時) (レス) id: 9f1002156f (このIDを非表示/違反報告)
恋葉 - 楽しませていただいております!!!個人的には7ページのチョコレートの話、Da-iCEのチョコレートシンパシーに似ててすっごい好きです(*´∇`*) (2020年4月23日 19時) (レス) id: 35a567dc92 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - てんさん» コメントをありがとうございます。楽しみにしてもらえるって嬉しいですね。これからもニッシーの恋の行方を見守って下さい。 (2019年5月9日 1時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
てん - いつも楽しみにしてます!この物語のにっしーが好きすぎます(*´ω`*) (2019年5月8日 11時) (レス) id: 3758975c70 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 憂さん» コメントをありがとうございます。とっても励みになります。楽しんでもらえてよかったです。 (2019年4月25日 3時) (レス) id: 012c2a9612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さら | 作成日時:2019年4月17日 4時