君と 3

邪魔者(side N) ページ13

「あーもう！ なんであんた達ここにいんの？ 覗きなんてすげぇ悪趣味」



『覗きじゃない。ずっと見てた。な、宇野』



『うん。ニッシーはうちらがいるのわかってると思ってた』



宇野まで…
いつからいたんだよ。



好奇心たっぷりの表情で俺の後ろにいるみおを覗き込む2人。



「あ、みお。この2人はメンバーの日高と宇野」



『初めまして。橘みおです』



みおは赤い顔のまま2人に挨拶してる。
日高と宇野ににやにやと見つめられて、居心地悪そうだ。
握手までしてるし。
もうそんなのいいから早く帰れよ。



「じゃーいいかな、もう帰れよ」



『んだよ西島、邪魔者扱いするな』



「だって邪魔だし。せっかくいい感じだったのに」



『ちょっ、西島君！ 恥ずかしいってば。全然、あの、邪魔じゃないです。むしろ助かりました』



は？
何だって？
今みお、助かりましたって言った？



『あっははは！ 口説いてるって言うより、オオカミが子羊を食べる寸前って感じだったもんね』



『良かった。ニッシーに食べられる前に救出できて』



『ふふっ、ありがとうございました』



なんでみおまで笑ってんだよ。
同じ気持ちだと思ってたのに…



『ニッシー、がっつきすぎだから。少し落ち着きなよ』



「うるせぇな、わかってるよ。もう帰れよ…」



手をひらひらと揺らして2人に帰宅を促したけど、素直に応じる2人ではなく。



『ライブの打ち合わせが終わった途端に、お前速攻帰ったから、珍しいと思ったんだよ。いつも最後までいるのに』



日高がニヤニヤしながら言ってる。



たまにはいいだろ。
すぐ帰っても。



『そしたらさっきスタッフさんがニッシー見たよって言うからね、何してるのかなーって来てみた』



宇野…来てみた、じゃねーよ。



雰囲気察してくれ。
頼むから。

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