どうしたんだ、俺(side N) ページ39
あっぶなかった。
俺、今、みおに何しようとした?
キス、しようとしてた。
マジかよ。
マネージャーからの電話が無かったら、してた。
おいおい、盛りの高校生じゃないんだから。
みおの笑顔に引き寄せられるようだった。
うわ、俺何やってんだよ。
みお、どう思ったかな。
警戒してるよな、きっと。
隣を盗み見ると、彼女は窓の外を眺めてる。
何考えてんのかな。
香織のこと?
それとも、男?
『……さん、西島さんっ、聞いてますか!?』
「あっごめん、うん、明日ね。はいよ。…わかってるよ、ちゃんと起きる。じゃぁまた明日」
ほとんど聞いてなかったマネージャーの話。
もう、それどころじゃないって。
気まずいな、どうする?
俺は大きく息をはいた。
「よし、じゃぁラーメン屋行くか。近くにうまいところあるから」
『うん、お願いします。お腹空いてどうにかなりそう』
さっきのこと、気にしてる様子もなくそう言ったみお。
ほっとしたけど、それはそれで、なんだか、がっかりしたような…
一体どうしたんだ、俺。
車を発進させて、ラジオのボリュームをあげた。
気持ちを切り替えよう。
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作者名:さら | 作成日時:2018年10月29日 0時