On my own ページ13
社食を食べ終えラインを確認すると、西島君からメッセージが来ていた。
西島今日も仕事がんばろー
もう昼なんですけど…
西島ミュージカルと言えば?
何それ、何を連想するかってことかな。
6月に再会して連絡先を交換してから、ゆるく繋がっている西島君とのやりとり。
履歴をみると最後のメッセージは3日前。
内容は好きな映画の話題だった。
今日はミュージカルか。
ミュージカルは大好きだけど、正直今は語り合う気分じゃない。
スルーしようかと思っていたら
西島無視するなー
とりあえず返信しよう。
Aこんにちは、仕事頑張ろうね、ミュージカルと言えば劇団四季かな
ミュージカルといえば私はこれ。
西島好きな作品を教えてよ
Aレ・ミゼラブル
19時。
ホテルの部屋で原田主任を待つ間、適当にルームサービスを頼み、夕食を済ませた。
主任が来るのは、21時を過ぎることがほとんど。
鏡の前で化粧、髪型、服装をチェックしていると、西島君からメッセージが届いた。
西島レ・ミゼラブルで好きな曲は?
好きな曲…これかな。
AOn my ownだよ
決して自分の恋人にはならない人を想う歌。
エポニーヌの絶望と孤独、そして覚悟が歌われている。
この曲は好きだけれど、私はエポニーヌのように独りになる覚悟はできない。
弱くてずるい。
なんか惨め…
ドアノックの音。
原田主任だ。
よかった。
これ以上1人でいたら泣いてしまいそうだった。
ドアへ向かう間に気持ちを切り替えて笑顔をつくり、彼を迎えた。
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作者名:さら | 作成日時:2018年10月29日 0時