君と (ページ29)

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手を差し伸べたい(side N) ページ29

みおあと30分で駅に着くね。

西島了解

車のエンジンをかけ、みおの職場の最寄り駅へ向かった。

時刻は午後7時前。
コーヒーでも買って行くか。

途中のコンビニでコーヒーと、みおが働いてるお菓子メーカーのチョコレートを2種類買った。

俺の方が先に着くかな。

我ながら短絡的だと思う。

みおが不倫してるって、本人に確認したわけじゃないし、そもそもみおのあの憂いを帯びた表情の理由が、それだとも限らない。

でも、会って話がしたいと思った。

何のために？

落ち込んでいる香織のため。
心配してる佑一郎のため。

それはもちろんだけど。

一体何が、みおにあんな顔をさせるのか。
心配で、手を差し伸べたい。
俺にできることはないのだろうか。

再会して2回しか会ってないし、俺と会ったところで、みおが話をしてくれるかわからないけど。

辛いなら、1人で抱え込むなって、1人じゃないよって伝えたい。