報告 ページ17
お盆休みの最終日、香織の家で夕飯を食べることになった。
香織と佑一郎君は半年前から同棲している。
今夜は佑一郎君が外へ飲みに行っているらしく、久々に2人で宅飲みすることになった。
「『かんぱーい』」
香織と共にビールで喉を潤す。
そして持ち寄った料理をつまみながら、近況報告。
なんだかいつもよりよくしゃべる香織。
「ね、香織、何か良い事あった?」
少しの間の後、香織は嬉しそうに言った。
『…佑一郎にプロポーズされた』
「えっ本当!?」
『うん、おととい。ここで』
うわぁ、驚いた。
香織の顔が赤い。
かわいい。そして幸せそう。
「返事は? OKしたんでしょ?」
『もちろん』
そう言って香織は幸せオーラ全開の笑顔を私に向けた。
「おめでとう! 香織、良かったね! 私もうれしいっ」
『ありがとう、みお』
2人で手を取り合って喜びを分かち合った。
香織と佑一郎君は幼馴染。
ずっと佑一郎君を想ってきた香織。
でもその気持ちを素直に伝えられず、社会人になっても幼馴染のままだった。
1年前にやっと香織の想いが届いて、佑一郎君と恋人同士になれた。
それを聞いた時も本当に嬉しかった。
香織と2人で泣いたのを覚えてる。
『やだ、みお、泣かないでよ』
そう言う香織の目にも涙。
「だって嬉しいんだもん」
私が就職のために上京して、不安でいっぱいだった時、力になってくれたのは香織と佑一郎君だった。
とても心強かった。
今の私がいるのは2人のおかげ。
かけがえのない、友達。
2人の結婚を心から祝福したい。
それからは香織の惚気話で盛り上がった。
お互いにお酒が良い感じにまわり気分が良くなってきた時、佑一郎君が帰宅した。
『ただいま〜。香織〜、みおちゃんいるの〜?』
玄関から聞こえてきた佑一郎君の声は、だいぶできあがってる感じ。
もう1人、誰かの声が聞こえる。
お友達が介抱してくれたのかな。
リビングに入ってきたのはフラフラの佑一郎君と、彼を支える西島君だった。
『俺もう寝る〜』
今にも倒れ込みそうな佑一郎君。
『香織、わりぃ、飲ませすぎた。寝室連れてく?』
『うん、お願い。ごめんねニッシー。もう、佑一郎しっかりしてよぉ』
香織も立ち上がって一緒に寝室へ入って行った。
佑一郎君が帰ってきたし、私もそろそろ帰ろうかな。
309人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さら | 作成日時:2018年10月29日 0時