7色の後ろ側 9《赤》

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side 美和

二次会は熊谷さんの歓迎会もかねてやろうという話になっていて、メンバーと私達マネージャーだけで集まった。

ちょっと席を外しただけで何でこんな事になってんのよ...。



中「付き合ってるとは、言ってへんやん？なぁ？」

濱「ほんま熊さんいきなり何言うねんなぁ？」

望「家行くくらい仲ええのは認めるけど！」

神「俺の誕生日とかのんちゃんとしげと3人でな？遊び行ったし」

桐「俺の家きて飯食った事もあるしなー！」


必死に誤魔化そうとする皆を見て、頭が痛くなる。

仮にも舞台やドラマを経験しているはずなのに、この猿芝居っぷり。

ずっと黙っている重岡を見たら、頭をガシガシかくと、静かに口を開いた。



重「皆誤魔化さんでええで。
...もうジャニーさんも知ってる事やし」


美「待ってよ。何それ」


週刊誌の時あれだけ黙っておけって言ったのに。
隣に立った熊谷さんも難しい顔をしてる。


熊「え、何？
それは正直に言うから交際認めてマネに戻してとかそういうつもりで言ったって事？」


重「...んな事できる訳ないやん。
そんなん無理やろ。てか付き合うとか自体、やっぱ無理やったんやって。
他の奴らは知らんけど、俺はそんなん、ようできひん」


それはあまりに後ろ向きな発言で。
まるで重岡らしくない。


望「...何なんそれ」


それで、この発言に誰よりも納得できないのは、望だ。


望「それお前別れるつもりって事なん！？」


それは皆が感じていた事で。

マネージャーの立場で言ったら、正直その方がいいと思う。
今凄く大事な時期だという事はもっと皆に自覚してほしいくらいだし。

ただ、相手が私の友達ともなればそう思いきる事もできない。


重「それでAが事務所に戻れるならそれがええと思っとる。
ジャニーさんに、頼んでん。
...情けないけど、俺じゃあいつ守られへんから。
大変な時、側におる事も、できひん」


そう言う重岡の顔はぐっと何かに堪えるように歪んで。


重「全部、俺のせいやねんで？
嘘でも何でも雑誌に記事載って騒がれんかったら。
やったらあいつ怪我もせんと、今でも笑ってマネやれてたんやで？
ファイナルやって、絶対生で見たかったに決まってるやん。

あいつの腕見た？
なぁ、女に一生残るような傷つけてんで？
もし相手がもっとヤバいもん持ってたらどうなってたん？
死んでたかもしれないんやで？

それも全部さぁ、俺が原因やねんで...っ？」


零れた涙がテーブルの上で震える重岡の強く握った手の上に落ちた。

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