7色の後ろ側 9《赤》

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重「これが撮られたのがその時やと思う」


そう言った大毅は難しい顔していて。
私達に話すという事は、同時にその杉崎さんを裏切る事になるから。


桐「ほんならこの時2人だけやなかったんやな？」

重「おん。ほんまはキリコの前に健太もおってん」

中「じゃあ撮った側もわかっとってしげ達抜いたって事か。悪質やな」

神「話題性だけ考えたらジャニーズ使う、か」

望「でもそれってそんな隠す事なん？
そりゃネットやらマスコミにリークすんなとは思うけど。
身内でそんなんざらにあるやんか」


重「去年くらいからキリコ結構曲売れてきて、まぁ今推し時っちゅうか。
男性ファンが結構ついた関係で売り方がさ、ミュージシャンというよりアイドル的な感じになったらしくて。

ほんで2人はその時点で付き合うててんけど、事務所の意向で別れるようにって。
それこそ事務所同士で契約交わすくらいの事されたらしくて」

藤「うっわ」

中「えぐ...」


皆はそんな反応をしていて、私はKIKIさんが大手のプロダクションに所属していた事を思い出した。


重「やけどそんなん好き同士やったら無理やんか。
ようわからん文書でそんなん決められて。
それはあいつらも同じやって。
...この前の飯の時に既成事実作ったー、言うて」

濱「え」

神「それって」

重「子供、できてんて。
ただ安定期って言うん？確証ができるまではお互いの事務所には報告せんって言うてて。
やから俺にも誰にも言わんでって。」


それが、大毅が私達に何も言わなかった理由...。
そんなの、私にくらい言ったっていい話じゃないの？って正直思う。思うけど。

大切な友達の事を考えて本当に隠し通そうとしたのが大毅らしいと、いうか。


重「俺からしたらほんま、こんな事になると思ってなくて。
親友が俺を信じてそう打ち明けてくれたなら、俺はそれを守らなあかんなって、変な正義感みたいなん持っとって。
絶対誰にも言わへん！みたいな。

俺ら今すっげー大事な時期で、ライブもまだあるし、それこそ次の歌番組でキリコと被るし。
たぶん騒がれると思うし迷惑かけると思う。
...ほんま、すんません！」


椅子から立ち上がった大毅が私達に頭を下げた。

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