7色の後ろ側 9《赤》

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side 小瀧


『じゃあ病院行くから切るね』って。

別になんでもないようにそう言うてAは通話を切って。
俺らはシャワーやら片付けしてすぐ打ち上げあってバタバタしとって。

やからそれに気づいたのはメンバーとマネだけの二次会中、一次会のスタッフ全員との打ち上げ写メをAに送ったろうと思った時やった。


藤「え、Aグループ退会してんねんけど」


流星がそんなん言うて。
まぁ思うやん。しげの奴やりよったって。
やけどしげも驚いてスマホチェックしとって。


桐「はー？もう誰やねん！そんなん冗談でもしたらA泣くでー？」


照史がそんなん言うたけど、全員が全員きょろきょろ互いの顔見とって。
え？どういう事？


望「A自分から抜けたん...？」


俺がぼそっとそう言うたら、全員がなんや不安そうな顔、して。


神「ちょ、しげ電話かけてや」

重「おう。.....でぇへん」




美「Aの中ではファイナルまで見守ってケジメついたんじゃない？」


そう言うた美和さんもちょっと寂しそうな顔しとって。


熊「今は俺がサブだしな。
気遣ったんだろ、わかってやれよ」


そう言って熊さんが俺の肩をぽんと叩いた。
そんなん言われたら、何も言えへん。
ほんまにA、マネ辞めてもうたんや。


熊「そーんな寂しそうな顔すんなって！
俺もなかなかいい男だぞー？」

望「ぎゃあ！くっつかんでや！」

中「むさ苦しいなぁ(笑)」

桐「まぁな、連絡先は知ってるんやし。
いつでも連絡取れるんやから」

神「そういえばいつまでホテルなんかな？」

重「せやねん。蟹送らんと俺怒られるわ」

美「最初は一週間って言ってたけど、報道陣も減ってきたから少し早くなるんじゃないかな」


ちょっと確認します、って美和さんが打ち上げ会場を出る。


藤「でも俺らこのまま大阪直行やし、しばらく後の方がええんちゃう？
1人で蟹てなかなか食わんやろ」

重「あー、それもそやな」

神「しげがAの家行けるタイミングで「なぁなぁ、お前ら」


俺らの話に割って入ってきた熊さん。
手には空になったグラス。



望「何？熊さんお酒無くなった？焼酎？」

濱「あ、お刺身食う？」

熊「いや違うじゃん。お前らバカなの？」

桐「大阪人にバカはアカンて」

熊「だからね、僕は初耳な訳だよ。









重岡とAが付き合ってるなんて情報」







皆の動きが見事に止まった。







美「あんたら本当にバカなんじゃないの...？」



ほんで部屋に戻ってきた美和さんの表情の怖さたるや。
照史が小さく悲鳴をあげた。

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