7色の後ろ側 8《赤》

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side 重岡


最後の現場、神ちゃんと2人で終わらせて。
ほんならもう帰るだけって時に美和さんから事務所に来るよう連絡がきた。


神「何、しげ事務所呼ばれたん？」

重「ん。俺だけやんな」

神「...それ大丈夫なん？」

重「え、何かやばいか？」

神「Aの事とかちゃうの？」

重「まぁ、だとしたら認めるしかないしな」


つかそれならAにも連絡いっとるはずやん。
そう思ってAにラインしたけど既読は全然つかんで。
そんなんしとるうちに事務所まで着いた。


会議室覗いたら美和さん等おるし、何でか知らんけど熊谷さんと、知らん社員さんにジャニーさん。


しかもジャニーさん相変わらずやし。
え、何なんこれ。
つかなんでAは全然こっち見ぃひんの？

したら見せられた1枚の記事に体も頭も固まった。
俺とキリコが写っとる記事。

俺はまたAの方見たけどAは目合わんよう、下の方見とって。
やけど前に組んだ手をこれでもかって力で掴んどるのがわかる。


重「...っ」

美「この記事は、事実じゃないんだよね？」


溢れそうになった言葉に蓋をしたのは美和さんの言葉とその表情やった。

俺等の事まだ事務所の人には言うてない。
ここで言うのはタイミングとしては最悪。
黙っとけって言われとんのがわかる。

やけど、その横におるんは俺の彼女で。
そいつが見てんのは俺と別の女の熱愛記事で。
こんなん事実か嘘かの問題とちゃうやん。
Aを傷つけた事にはかわらん。

...俺、最低や。


重「事実ちゃいます。
実際この時、他にも人おったんで。
ここだけ切り取られて、こんなん書かれたらそれっぽく見えてまうけど...」


広「わかりました。
今相手側にも事実確認してますけど。
この記事自体、うちは一切のスルーでいいですね」

ジ「うん、そうだね。
一々相手にしてられないし。
YOU、今度の歌番組どうするの？
この子と共演だって」

重「え、」

美「生放送ではないから放送上のアクシデントは大丈夫だけど、収録は記事が出た後だから、ファンの反響はすごいと思う」

熊「もう番協も決まってんだよな」

美「決まってます」

ジ「YOUこういうの初めてでしょ。やれるの？」


それは、俺の判断次第で番組降ろされるって事なん？
そんなん、アカンやろ。
この記事で絶対騒がれるし、叩かれる事にもなる。
これ以上他のメンバーに迷惑かけるのだけは避けたい。


重「...やれます」


ジャニーさんを見た後、美和さんとAの方を見る。
それでもやっぱりAは俺の顔見てはくれなかった。

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