7色の後ろ側 8《赤》

34 ページ34

side 重岡

ホテル戻って風呂やらなんやら終わらせて、ラインみたらAから連絡入っとった。


『おいクソ』


いや口悪っっ(笑)

今回の横浜公演は1人部屋やから、電話してもええやんな。
したらすぐにAがでた。


重「お疲れっすー」

「お疲れっすじゃないから！」

重「(笑)」


やって、山田くんあれやん。
Aと連絡先交換しとったくらいやし。
それはこちらとしてもハッキリさせときたいやん。


重「お前あの後も結構聞かれたんやろ？」

「聞かれたよ！いい奴じゃわからんとか言ってさぁ、女性スタッフの餌食よ」

重「美和さん助けてくれんかったん？」

「ニヤニヤしながら静かに聞いてた」

重「性格悪いなぁ(笑)」

「大毅が言える事じゃないから」

重「山田くん諦めついとった？」

「諦めも何も、そこまで親しくなってないからね」

重「そうなる為に連絡先交換してたんやろ」

「それは」


そう、だけど...ってばつが悪そうにそう言うて。
つか連絡先交換してたって事はその時点でA俺の事好きやなかったって事やろ？
うわ、なんやいらん事気付いてもうたやん。


「だって」

重「あ？」

「あの時は、大毅の事諦めなきゃって必死だったから...
山田さんには本当に失礼なこと、したと、思ってます」

重「...」


こいつ俺の心でも読めんの？
何で今そんなん言うねん。


重「なぁ、俺今1人部屋やん」

「ん？そだね」

重「部屋来いや」

「は、」

重「めっちゃ抱きしめたいねんけど」

「ばっ」


今バカ言いかけたやろ。


「...ダメ。他のスタッフさんだっているのに」

重「...ん」


まぁ、そう言われるのはわかっとったけど。


「ポジティブに考えれば一つ屋根の下にいる訳ですから」

重「はぁ？なんやそれ(笑)」

「考えようによってはプチ同棲ですね」

重「いや無理あるわ！」

「(笑)」


さっにまで不機嫌にしとったくせにケラケラ笑いよって。
ほんま気ぃ抜けるわ...(笑)


「...今日の大毅すごいかっこよかったよ」

重「おう。まぁ、アイドルですから？」

「照れんな照れんな(笑)」

重「うっせぇ(笑)
つかお前初っ端から泣きすぎやねん」

「感極まったよね。
でも次からは泣かない！」

重「どーだかな(笑)」

「笑顔で楽しみます！」

重「そやな、その方が俺も嬉しいわ。
...なぁ、もうベット？」

「うん、しげも？」

重「おう。もう寝よや」

「ん、寝よ」

重「おやすみ」

「おやすみ」


ほんまキモい話やけど、なんとなくの隣にAが寝てるような気ぃして。
俺はいつもよりすぐ眠りについた。

35→←33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す